平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

白洲正子さんを逃がして銀の匙  2007/07/16

shirasu2shirasu3shirasu4shirasu5shirasu6shirasu8shirasu10shirasu7

 白洲正子さんに関する講座があって、台風の中、大阪や東京の友人たちが静岡に駆けつけた。しかし、なんと今回の台風のため講師・青柳恵介氏が到着できず、会は流れた(涙)
 そんなわけで「武相荘」は叶わなかったが、中勘助の「杓子庵」で“銀の匙”に再会。先だって、岩波の中勘助全集を手に入れて片っ端から読み漁っていたところだったので、まあ、ここには遅かれ早かれ足を運ぶことになっていた(二年ぶりかな)。
 この空間はひじょうに良い。展示品の数で物足りなさを感じる人もいるが、一般的な博物館や記念館はあまりに展示品が多すぎる。そのため目線が泳ぎ、目の前に集中できない。記念館は本来、その人が暮らしていた環境全体を感じる場だ。それが今は物に頼りすぎている。物展示だ。わたしは記念館にも「環境展示」を提案したい。それは「行動展示」ということにもつながる。すなわち認知科学のアフォーダンスだ。これはまた機会があったら詳しく記したい。
 この日のキーワードは、匙と箸、芹沢、鈩(たたら)、水銀鉱脈、奈良、川筋かな。

現在地:トップページ脳内探訪(ダイアリー)

サイトマップ