月と月読命と桂離宮と源氏物語と月見うどん + SPAC朗読会 2009/10/18
爆睡したい平野です。思い出すままに、ここ数日の備忘録。
以前お付き合いのあったCM制作会社の友人たちが「ヒラノさんの会」を開いてくれるというので喜び勇んで参加(それにしてもベタな会の名である。うれしい・笑)。某韓国料理店で、たらふく食べて大いに盛り上がる。
自宅に戻ってメールを確認したら諸々350通も入っていて、我に返る。
金曜日 静岡大学の情報意匠論では、日本神話の構造、それから桂離宮が壮大な源氏物語の見立てであるという話をする。授業が終わって学食に移ってまた二時間話す。もちろん、学食での注文は「月見うどん」。
土曜日 掛川市民大学では、「食」と「公園」がテーマ。
移動して、夕方からは、島田市で「紙 髪 神」をテーマに二時間話す。戻ってレギュラー「色はにほへ都」の執筆http://www.s-liv.com/column/iroha/index.html。書きたいことが山のようにあるので一気に二本分を書き上げる。書き終わって真夜中の三時半。いつも通り布団に入って読書。たぶん・・・五分ぐらいで爆睡(完全に記憶がとんでいる)。
・日曜日 朝から、大学で授業の資料づくり。明日から一週間はかなりのハードワークが予測されるので、隙間時間を使って少しでも仕事を進めておく。
午後はSPACの朗読会。朗読は本多麻紀さんと、木内琴子さん。お二人はともに先日の『ドン・ファン』に出演した女優であるhttp://www.hirano-masahiko.com/tanbou/939.html。本多さんも、木内さんも、なんてチャーミングなんだろう。更に、今回この二人の強力な助っ人がピアニスト吉田イツコさん。吉田さんのシューベルトが、本多さん、木内さんの声に心地よい波をつくる。
前にも書いたけれど、わたしは「人の声」というものが大好きである。誤解を恐れずに言えば、物語の内容は二の次でいい。それよりも圧倒的に声そのものに重きを置く。朗読者が、第一声をためて、ためて、ため込んで、もうこれ以上抱えきれないという均衡を破るその刹那をいっしょになって待つのが好きだ。この呼吸を合わせることを、武道では合気という。そう、合気道の合気だ。呼吸法からいえば、朗読はまさに武道である。
今回大きなおまけだったのは、木内さんからの歌「未来へ」(Kiroro)のプレゼント。まずい、目頭が熱くなる。木内さんとは、もう二十年以上前、彼女がラジオ局を辞めるときからの知り合いだ。ずっとお会いしていなかったが、いろいろな方面から活躍は聞こえてきていた。その木内さんが今年の春からSPACに入団。いい女優になるだろう。
♪ ほら 足もとを見てごらん
これがあたなの歩む道
ほら 前を見てごらん
あれがあなたの未来
「足もとを見てごらん 前を見てごらん」という、このシンプルな言葉が、彼女の何某かに触れて、涙ぐんでしまうことが度々あったという。きっと、きょう、あの場で聴いていた人々が感じ取れないほど、彼女とこの歌との間には大きな物語が横たわっているのだろう。それは何かわからないけれど、とても熱いものを感じた。これで木内さんと「未来へ」がわたしの中でひとつになった。
左から、SPAC演出家の大岡淳さん、女優の木内琴子さん、同じく本多麻紀さん、静大生渡辺さん、SPAC文芸部の横山義志さん、静大生采さん
劇場内にあるカフェでは、劇団員自らがおしいコーヒーをたててくれる。俳優たちと気軽に感想を言い合えるすばらしい空間でもある。
いつかコンサートを開いたときにはぜひお出かけください(汗)
追記
加藤和彦さんとはある会でご一緒して以来、何度かおはなしをさせて頂いた。夏のある日、いっしょに屋形船に揺られたこともある。こんなことになろうとは・・・合掌。
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