平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

SPACが路上を占拠?!  2009/10/12

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「ドン・ファン」の配役がまちを舞台に踊り出す。

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あのSPAC(財団法人静岡県舞台芸術センター Shizuoka Performing Arts Center)が更に進化してきた。
http://www.spac.or.jp/index.html

そもそもSPACは、1997年から初代芸術総監督・鈴木忠志氏のもとで本格的な活動を開始。2007年4月1日から新芸術総監督・宮城聰氏に引継がれ、一気に市民に開かれるようになった。宮城氏の、劇団そのものの演出により、間違いなく芸術のすそのが広がった。簡単に言えば、市民から身近な存在としての劇団に成長してきた。愛されている。間違いなく愛されている。このごろ特にそれを実感する。

今夜も静岡市内の目抜き通りのひとつ、ケヤキ通りを覗きに行くとSPACが通りを占拠して大パフォーマンス! 路上は劇場と化していた。そこには役者だけでなく、大学生のボランティアが大勢参加している。中学生や高校生のオーディエンスが詰めかけている。パフォーマンスが終わったあとも口々に、楽しかったね〜  ね〜、楽しかった。そういう声があちこちからこだまする。ボランティアからもオーディエンスからも、両方からだ。SPACは、本当にみんな心を鷲づかみにしはじめた。演劇界でもこれは新しい動きではないだろうか。
実は、これ、「SPAC現象」に限ったことではない。最近の静岡をよく観察してみると、10代、20代、30代、40代、50代、60代と、それぞれの世代にきちんとキーマンがいる。しかもそれらが世代を超えてつながり始めている。わたしが知っている大学生たちも本当によく動き回っている。つながっている。
芝居で芸術に芽生えた人、カフェでアートに芽生えた人、学びの場でつながることに「発情」した人、まちづくりで元気をチャージした人、それらが渦巻きのようにひとつになり、祭りのねりのように動き始めている。
静岡は今、おもしろいことになっている。

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↑ 芸術総監督の宮城聡さんも柱のカゲから、にっこり。(宮城さん、なぜ秋も「宮城シール」つくらなかったんですか〜)

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こんな公共の劇団、ちょっとない! 写真はSPAC制作の成島洋子さん。



これを読んでくださっている方の半分以上は静岡県外の方ではないでしょうか。ぜひ一度、SPACの舞台をご一緒しましょう。演目によっては、東京などから無料往復バスまで出るんですよ。


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