平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

男女共同参画社会とチームの運営  2009/09/06

kousya


◆土曜日には、静岡県の小中学校の先生方の集まり(静岡県教職員組合)でおはなしをさせて頂く。
講演の内容は、縦糸に男女共同参画社会へ向けてのチームのつくり方と運営の仕方を据え、チーム運営という仕組みのなかには男女共同参画社会のすべての視点があるという論を持ってきて、横糸にはメディア論を編み込んではなしに表情を付け、一枚の絨毯を織り上げたつもりである。
そもそも、なぜわたしのような人間にこのような重役が回ってきたのかわからないが、とりあえずわたしにもお伝えしたことがたくさんあるのでお引き受けすることとなった。
わたしの話が終わったあと三人の先生が次々と挙手をしてくださり、質問ではなく感想ですが、ということで新たな気づきを述べてくださった。
とにかくみなさん、熱心である。
講演のあとの、いわゆる分科会でも男女共同参画社会実現へ向けて、さまざまな角度から意見が飛び交っていた。
話はそこで終わらず、会場をあとにして、講演のテーマで引き続き盛り上がる。店員が、もうお時間です、と目を吊り上げ仁王立ちになってから最後の挨拶があり、三々五々お流れとなった。
熱心な場所で話しをさせて頂くことで、こちらも話しながらたくさんの気づきを頂いた。ありがとうございました。

◆先日から、書斎の天井付近で、一匹の蜘蛛がか細い糸によって自らの身体を忍者のように宙づりにしている。ハエトリグモだ。この蜘蛛は益虫といっても、昆虫じゃなくて節足動物門である。そんなわけで特別危害を加えるわけでもないので、放ったままにしてあって、わたしは椅子に反っくり返ったまま時折その様子を見上げている。
彼なのか彼女なのかは知るよしもないが、この小豆粒大の「塊」は少しも動いている様子がない。椅子にのぼって覗き込むと、顔の正面についた大小四つの目はカッと見開いたままである。蜘蛛は視力の良さに特徴がある。この、じっとしたまま一切動かず、目を見開き、呼吸を押し殺しているところなどは、やはり忍者に喩えられる理由がよくわかる。
そういえば、江戸時代には「座敷鷹」といって、ハエトリグモにハエを捕らせる遊びが流行ったというのを何かで読んだ記憶がある。今ではそんな風流な遊びは流行らないんだろうな。


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