覚えておいてください 『羽鳥書店』
東京大学出版会にいらっしゃった羽鳥さんが定年で退職され、団子坂に新しい出版社を興された。それに二人三脚したのが矢吹さんという編集者。お二人についてはこの脳内探訪に何度も書いてきた。
新会社の名前は「羽鳥書店」http://www.hatorishoten.co.jp/
社のロゴマークは、あの原研哉氏だhttp://www.ndc.co.jp/hara/
なんとも力が抜けていていい感じである。しかもさりげない線画であるがプロポーションが抜群だ。ナスカの地上絵を彷彿とさせる。地上絵は雨乞いの儀式の意匠だから、きっと潤ったすばらしい会社になるだろう。
さっそく、そのサイトを眺めると、間もなく三冊の本が産声を上げようとしていることがわかる。
一冊は山口晃さん『すゞしろ日記』(『UP』連載。一つ前の「脳内探訪」参照)。羽鳥書店非公式サイトhttp://hatoripress.blog.so-net.ne.jp/を拝見すると、山口さんが来社されホワイトボードに絵を描き込んで行かれたが、それが消せなくて困っている様子がレポートされている(笑)
もう一冊は、おー、奇才・高山宏さんの『かたち三昧』。これも『UP』誌に連載中のシリーズであるが、細切れで読んでいるのでまとめて読むのが今から楽しみである。
三冊目は長谷部恭男さんの『憲法の境界』。長谷部さんの憲法論は以前新書で読んだことがある。氏が以前から口を酸っぱくして言い続けていることがある。それは、護憲派と改憲派の両方に欠けているのは、そもそも何のための憲法かがまったく議論されていないという点だ。噛み砕いていえば価値観の違う者同士が平和憲法をどう理解し、共有するかということである。新刊の「境界」というキーワードが気になる。
羽鳥書店はそのあとも鴻池朋子、辻惟雄、内田貴らの本が敢行予定のようである。目が離せないな〜。
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