島田市博物館に吸い寄せられて
午前中は由比で桜エビのかき揚げを頂き、午後はわたしも博物館協議会の委員をしている島田市博物館で、志戸呂焼と島田髷の展示を改めて観る。
島田市博物館の志戸呂焼のコレクションはなかなかのもので、質と数は相当なものだ。
志戸呂焼とは、室町時代に美濃の陶工が旧金谷の地に移り住み、茶人の小堀遠州ディレクションのもと、時の茶人や徳川家康などに高く評価された良質の陶器である。
小ぶりの茶碗もいいが(といっても遠州の茶碗は利休や織部に比べて若干大ぶりなのが一般的。これは茶室の大きさと関係している)、それよりもむしろ、どっしりとした瓶や花入れなどにその良さが存分にあらわれているとわたしは見ている。釉薬が二重にかかった独特の赤みを指して「侘びた味わい」と記すものもあるが、それよりもむしろ「きれいさび」といった方が近いのではないだろうか。
ところで、この島田の地名は、「(髪を)締めた」からきているとも言われている。「鹿の子島田」「お染め島田」「やっこ島田」など島田の名が付くいくつもの髷のなかでも「文金高島田」は今でも結婚式ではおなじみの髪型だ。この地から広まった島田髷は、曾我十郎祐成といい仲にあった遊女虎御前がはじめたとも言われているが、歌舞伎役者の島田万吉がはじめたという説もあり、定かではない。
ちなみに、この博物館の日本刀は助宗をはじめすばらしいコレクションがある。日本刀ファンのみならず、チャンスがあったら観ておいた方がいい。
そうして改めてきょう、何かに吸い寄せられるようにして向かったこの博物館から「新しい動き」が出るのではないかとわたしは大いに期待している。きっと。ふふふ。
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アリバイ
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