NHKラジオ「文芸選評」中道風迅洞さんの番組ラストメッセージ 2009/03/23
自動車のハンドルを握ると、ラジオをつけることが多い。
曜日のせいかNHKラジオ第一放送の「文芸選評」という番組がよく聴こえてくる。失礼ながら、けっして積極的に聴こうとしているわけではないが、先日、偶然劇的な回を聴くことができた。
それは「おりこみどどいつ」の選者・中道風迅洞さんの、番組登板最終回へ向けてのラストメッセージだった。
それは長い長い、本当に心のこもった挨拶であった。静かで、落ち着いた声であったが、あんなに迫力のある挨拶を最近聴いたことがない。
耳のいいリスナーから「ときどき放送中に妙な音がするが、いったいなにか」という問い合わせがあったというが、中道さんは齢90をこえ、更に難病を抱え、酸素マスクや点滴をしながら番組に出演していて、その音をときどきマイクが拾っていたというのだ。
その中道さんの最後の挨拶に、フロントガラス越しの風景が曇って見えた。
面識はありませんが、中道風迅洞さんにお疲れ様と云いたいです。いつまでもお元気でいてください。
ここもご覧ください
http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/905.html
雑誌『BRUTUS』がラジオの特集を組むのは初めてではないか? わたしもラジオ放送の審議委員をやっているが、ラジオとの付き合い方をいま一度自分に引きつけて考えてみたいと思っている。
追記:上記文章中、わたしが中道さんを「馬齢90をこえ」と表記したところ、gochuusin様という方から、馬齢は自らをへりくだって言う言葉だとメールを頂きました。お恥ずかしい限りです。お詫び並びにお礼を申し上げます。直ぐに返信メールを差し上げたのですが、リターンになってしまいますので、この場で大変恐縮ですが、お礼申し上げます。ありがとうございました。
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