平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

我が庭で見る自然 2010/07/08

くろすぐりトンボ亀の池イシガメの卵

 自然をネーチャーという意味で意識的使い始めたのは、おそらく明治に入ってからだ。そもそも、それまでは人間と自然を分けて考える感覚がなかった。

 仕事場の庭に生えているラズベリー(正確な品種はブラックベリーかな?)が今年はあまりにも多く実を付けるものだから、それを写真に撮ろうとカメラを持ち出したら、なんとトンボが飛んできた。たぶん、池に来たのだろう。トンボは亜種まで入れると日本に二百種類はいる。庭に来た種を即座に断定できる知識がわたしにはないが、おそらくシオカラトンボ系だと思われる。指を差し出すと、何度もわたしの指先に止まる。これは子どのころからわたしの特技だ。簡単だ。自分が一本の木になった気分になれば良い。カメラで、ぱちり。

 下の二枚の写真は、同じく事務所の前の池とそこで産まれた亀の卵。陸地の部分をつくって上げたら亀が繁殖しはじめ、今ではおそらく五十頭はいるだろう。途中からきちんと数えることもできなくなった。なぜなら、暑さをしのいで、土にもぐっている連中もいるからだ。今がちょうど産卵の季節。今年はどうかな。ちなみに、水棲外来種の亀は飼いません。

 そうそう、亀やワニの卵は、その年の平均温度によってオスなるかメスになるかが決まる。写真の卵はイシガメのもの。歳を取ったせいか最近では、土の上や水の中で産んでしまう(本来は、後ろ足で土を掘り土の中に産卵)。この卵も、産まれたときから既に変形してしまっている。
 このほか、今飼っている生き物を挙げておこう。

ヒメダカ、クロメダカ、四万十川のウナギ、シマドジョウ、フナ、金魚、トウホクサンショウウオ、イモリ。
イモリは、これまた、ただいま産卵した卵が孵り、なんと幼体が百匹以上もいる。ほんとうに大変なのは、このあと地上に上陸をはじめてからの飼育だ。そうだ、もう一つ思い出した。イモリは、他の川で育った雄雌を同じ場所で飼っても、うまく交尾ができない。交尾のダンスが違うのだ。


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