平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

わたしの聞き方が悪かったのです。いけないのはわたしの方です。

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そうです、わたしの聞き方が悪かったのです。いけないのはわたしの方です。

某バス会社のバスに乗る際に、わたしは運転手さんにこうたずねました。
「すみません、このバス ○○バス停に止まりますか?」
そうしたら運転手さんはわたしの目を見、左の頬だけで笑いながら、確かにこう告げたのです。
「止まるかどうかはお客さん次第です。わたしが決めることではありません」
え? 最初、何を云われているか判りませんでしたが、次第に自分の云ったことがおかしかったのに気付きました。もう、運転手さんのおっしゃる通りです。電車じゃないんですからねえ。
わたしは、たとえば次のように云えばよかったのです。
「このバスは、○○バス停を通りますか」とか、「○○バス停で降りたいのですがこのバスで大丈夫ですか」と。
でもわたしが運転手なら、相手の云わんとすることは十分わかるので、「はい、そのバス停は通りますよ」とか、ひと言「はい、大丈夫です」と告げます。

いえ、わたしの聞き方が悪かったのです。いけないのはわたしの方です。


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