カードの入り口 〜もっとも基本的なデザインの話
バスのカード投入口。
うまく入らない。
バスに乗り込むその瞬間にうまく機械の投入口に、カードを持っていくことができない。
わたしが呆けたせいか?
いや、
昨日もオジサンがイライラしていた。
今朝もお年寄りが困っていた。
夕方もお姉さんが焦っていた。
それからカードを、真っ直ぐ差し込むのか、下に向かって差し込むのか、それとも上に向かって差し込むのか瞬時に判断できないのだ。
問題解決のためには、差し込み口の下の部分が、ベロのように長く出ていて、カードを自然に中へと導いてくれるデザインになっていればいいだろう。
これは、一バス会社の問題ではない。もしかすると、この手のマシーンをつくっている会社が限られていて、おおくのバス会社が同様の製品を採用しているのではあるまいか。また、バスに限らず他業種の「カードを差し込むマシーン」のおおくが、同じ問題を抱えている可能性がある。
そういえば、最近めっきり数を減らした公衆電話のテレホンカードの投入口も、きっと同じ問題を抱えていたのではないだろうか。しかし、公衆電話の場合には、電話機の前に余裕を持って立ち、カードを投入するという姿勢がつくりやすい。一方、バスの例のように、身体全体が「乗り込む」という大きな動作のなかで、カードを正確に狭い差し込み口に差し込むというアクションを実行するのはひじょうに高度な技である。おそらくチンパンジーの類では困難な動作ではあるまいか。
いずれにしても、一考必要ではないだろうか。
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