平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

虫になった日 〜高杉悦生・GALLERY sensenci

◆相変わらずバタバタしているので、ここ5日分ぐらいのことをまとめ書き。

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◆『わたしむし』 〜高杉悦生の企画(協力博士:杉山恵一、むし自慢:山崎友太郎、プラモード)をGALLERY sensenci http://1st.geocities.jp/g_sensenci/で観る。
来廊した者は、「わたしむしの人工飼育システム」にしたがって作品を体感することになる。DMによれば以下の順である。
①来客
②コスプレ技法による変態促進
③デジタル処理による羽化
④人工環境での飼育
⑤採集
⑥標本制作

これをわたしの言葉で解説するなら
①来客 →GALLERY sensenciの敷居をまたぐ。「オーナーの柴田ご夫妻彰さん、恵子さん こんにちは お邪魔します」
②コスプレ技法による変態促進 →窓際に並んでいる昆虫の頭部、例えばトンボやセミやカブト虫などの作品を選んで実際にかぶってみる。この時点では自分が虫になってしまったことをまだ本人は気付いていない。

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③デジタル処理による羽化 →デジカメの前に立って、その姿を撮影する。ここで撮影された我が昆虫写真は、現像されて後日二階スペースに展示される。
④人工環境での飼育 →撮られた自分の写真を観て、わ〜、すごー、おもしろーい という声を上げながら、羽化するはずがなぜか大人たちは全員子どもになってしまう。
⑤採集 →二階スペースに上がり、過去に撮られたたくさんの人間昆虫写真の中から、気に入った写真を「採集」する。手にした写真からはその人物がどこのだれかは推測不可能。
⑥標本制作 →写真を採集したら一階に戻り、標本作りに挑戦する。完成品は下の写真である。

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ギャラリーで偶然会った知り合いの音楽家も虫になっていた(↓)。みんな最初は恥ずかしそうだが、顔が見えないとわかると途端に大胆になる人もいる。

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久しぶりの昆虫採集である。(もちろん誰も覚えていないと思うけれど)先日予告しておいたのはこのことである。http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/681.html

一見、シンプルに見えるこの展覧会、実はけっこう深い意味を内在している。虫ピン一本人間昆虫に突き立てるのにもけっこう勇気がいるのである。

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