若い人から教えられ 〜パトロン
パトロネージュといえば、すぐにメディチ家とか古代ローマの建築家メセナ(企業のメセナ活動はここから)とか、フランソワ1世(レオナルドの臨終を看取った)とかの名を思いつく。
だが何もそんな大袈裟な歴史を持ち出さなくとも、パトロネージュは存外身近にあるものだと最近感じた。
買っても全く使っていないSTABILOのカラーペン・セットを、ひょんなことからある学生に差し上げた。そしたらしばらくして、ちゃんとお礼を頂いた。なんと、そのペンで描いた絵を。
そこで、なるほど〜、と閃いた。パトロネージュってこれで良いんだ、と。絵の才能には画材を、物語を紡ぐ才幹には原稿用紙を、音に敏感な学徒には譜面を、小さなものを提供するだけで良い。自分ができることを考えたら、何も山積みの札束を用意する必要はないのだ(そもそもできないけれど)。それがけっこう小さなパトロネージュになったりする。できる範囲で若い才能を応援したい。
◆ある学生からメールを頂き、人生において「とても大切なこと」を教えてもらう。こういうタイミングで、なかなかできることではない。やっぱり人って年齢じゃない。感謝してもしきれない。
バックナンバーはここ↓から。「表示件数」を「100件」に選択すると見やすくなります。