平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

先生の研究教えてください

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 五人の女子大生が企画・取材する『先生の研究教えてください』(リビング新聞 原則隔週)が始まった。静岡県にある大学の「何を研究しているか周りからはよくわからないけれど、なんだかとってもおもしろそう」という研究室を夜討ち朝駆けし、その研究の一端を広く社会へと紹介していくシリーズだ。とても小さなコラムだが、大きな意義があると感じている。わたしも企画の段階から参加していた。
 現在、静岡大学、静岡県立大学、静岡英和学院大学の学生たちが参加してくれている。
 取材の条件は二つ。一つ目は、自分の所属する大学の研究室は取材しないで、他の大学を訪問すること。二つ目は自分たちが本当におもしろいと思った先生とその研究室を訪ねること。これだけである。編集者やわたしはそのセレクトに対しては基本的に関与しない。
 「何をもっておもしろいというのか、君たちは!!」 「どんな条件で先生を選んでいくんだ」 「こんな小さなスペースで研究なんか発表できん!!」 「学問というのはそんなものではない」 「そんなシリーズに私は出たくない」など、もしかしたら厳しいお声もあるかもしれないが、そんなことは自覚しながらはね除けて、社会と研究テーマとの接点を学生目線で結びつけていけるそんなシリーズを目指している。
 まだまだ今後進化して行くだろうし、もしかしたら、紙面全体を使った座談会のようなものをやっていくかもしれない。またそれがリアルな講座に育っていく可能性もある。もっといえば、学生が研究室と企業とを結びつけていくかもしれない。
 とにかく企画の真ん中にあるのは、学びの中心にいる学生達そのものである。学生達はこの取材を通して、広く学問の世界を俯瞰し、自分の研究や学びの場にこの体験を通して得たおおくの視点や手法や手段を活かしていくだろう。それがわたしの企みである。生意気な言い方だが、これはある意味学生から見た教員の評価につながるかもしれない。

 わたしは相変わらず「ああ、いいんじゃない〜」 「ここをこうするだけで、もっと良くなるかもね〜」 「それよりもカレーを食べにいこうよ〜」とのらりくらりとしているだけである。とにかく学生が優秀だと、ま、当然だけれどもいいものができる。しかも編集担当のK塚さんが、学生達のお姉さん役で仕切ってくれているのでとても安心している。
 次はどこの大学のなんて先生だろう。ドキドキ。

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追記: リビング新聞 モニターさんの声より
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・新しいコラムでこれからも楽しみ

・大学はいくつも研究室があっても、何をやっているのか一般の人にはわかりにくい
と思います。こうしたコラムでより地域に開かれた大学になっていくと良いですね

・とても良い企画だと思います。難しいことを研究されているのだとは思いますが、
こういう紹介をして頂くと身近に感じます

・取材も学生さんがされているのでしょうか?新しい感じがしました

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