ノーベル物理学賞のインタビューを聞いて
アルフレッド・ノーベル
ノーベル物理学賞のニュースが飛び込んできた。
このことで二つのことを極手短に記しておきたい。
まず、京都大学の益川敏英先生の言葉がとても印象的だったこと。「大して嬉しくない」といったそちらのコメントでなく、「科学を学ぶ者はもっとロマンを持つべきだ」というこちらの発言だ。この言葉からわたしはすぐに中間子論の湯川秀樹博士を思い浮かべた。我々はサイエンティストの寺田寅彦や朝永振一郎、中谷宇吉郎や野尻抱影の漢文や俳句、散文などの文学的センスにもっと学ぶべきなのだ。
それからもう一人の受賞者、小林誠先生の「とにっかく、南部先生の論文をしゃぶり尽くした!!」というとても力のこもった挨拶もひじょうに印象的だった(「とにかく」ではなく「とにっかく」だった)。脇見をしないでただひとつの論文を徹底的に掘り下げていく。こういうことは簡単そうでいて、誰にでもできることではない。ついつい我々は目移りばかりして失敗する。
益川先生も小林先生も一度も海外へ渡ったことがないという。益川先生の「英語が大の苦手。英語アレルギーだから」という理由がちょっと嬉しい。
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