図書館は国家のストラテジーとしてあるべきだ。当然だね。
◆昨年まで、静岡市図書館協議会の会長をさせて頂いていた。その間さまざまな局面で実に多くのことに気づき、学び、そうして深く考えた。
その一つが「図書館は国家(もちろん地域の)戦略にきちっと組み込まれるべきだ」という考えだ。
おおくの先進国では、その国策に図書館という知のアーカイブをいかに組み込んでいくかという具体的なストラテジーを持っている。以前中東のある国王がテレビのインタビューに答えて(国名は失念した)、我が国が万が一戦火に包まれたら、まず真っ先に教会と図書館を再建すると答えていて、かなりビックリした。考えてみたら当然のことだ。図書館は、その国の歴史、文化そのものだし、少々古い言い回しだが、民族の遺伝子である。
果たして日本はどうだろう。万が一、何某かの災害にみまわれ、そうしてライフラインが確保できたら、真っ先に何を再建するだろう(再建といっても別に建物である必要もないのだが)。
きょう雑誌『ソトコト』を読んでいたら、「全国夏のソトコト図書館ガイド」という特集が目に飛び込んできた。『ソトコト』が選んだため、環境に取り組んでいる図書館という視点が強く反映されているが、参考になる。以下は、そこから拾った図書館にURLを貼り付けてご紹介しておく(なんて平野は親切なんだろう〜)。
●東京ミッドタウンにある『d-labo』(スルガ銀行)
このサイトは絶対に覗いて欲しい。スルガ銀行(静岡県沼津市本社)は、ベルナールビュッフェのコレクションとその美術館の運営でも有名である。『d-labo』は、ブックプロデューサー幅允孝氏の選書。
http://www.d-labo-midtown.com/main.html?iccd=library
●函館市中央図書館
ソーラーパネルをふんだんに使ったエコ型図書館。吹き抜けが高く、トップライトをうまく使い、館内には光が降り注ぐ(らしい)。
http://www.lib-hkd.jp/
●兵庫県 木の殿堂
「森と海と太陽」がテーマ。ドーム型の建築のその中心に図書館はある。館内は木の香りが漂う。建築は安藤忠雄。ということは、建築見学のメッカになっている可能性が高い。
http://www.inaker.or.jp/~wood/
●朝来市あさご森の図書館(兵庫県)
太陽光発電、自然通風利用、複層ガラス使用、地域材使用、完全エコ型図書館。環境に関する企画や書籍類に特化した収集を目指す。
http://www.city.asago.hyogo.jp/library/
●千里リハビリテーション病院
プラス思考をテーマに書籍を集める病院図書館。プロデュースは佐藤可士和。「あの人の旅路」「自然と遊ぶ」「環境のこと」など、従来の公共図書館では無理なカテゴライズに挑戦。
http://consultant.e-nurse.net/recruit/senri/index.html
●上ノ国もんじゅ海の図書館
道の駅図書館。片面は全面ガラス張りで海に沈む太陽が美しい(ということです)。
http://www.town.kaminokuni.lg.jp/monju/01.htm
●岡山県立図書館
水、光、熱の一次エネルギーを存分に利用した最新エコ型図書館。
http://www.libnet.pref.okayama.jp/
●宮崎県立図書館
自然と環境問題に特化した資料を収集・提供する。最新環境型設備を誇る図書館。
http://www.lib.pref.miyazaki.jp/
その他おおくの図書館がコンパクトな解説と写真付きで紹介されている。ぜひ『ソトコト』9月号をご覧下さい。
※このページトップの写真は愛知川町立図書館の職員デスク(カウンターではない)。半オープンの設計のため、声が掛けやすく、また声を掛けて良いタイミングがはかれる。
◆土地に値段は付けられても、その土地を含めた風景に値段は付けられない。
◆きょう取材に来てくださったK塚さんのお土産、落雁。金沢にお出かけだったらしい。金沢21世紀美術館、わたしはまだ行っていないんですよ〜。
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