桃華絵里さんってご存じですか + ここ数日の備忘録
本当なら今週は、奈良の大仏を拝んでいたはずなのに、巨大な偏頭痛の高波に呑み込まれてすべての予定が狂う。そんなわけで、原稿の締め切りの予定も狂い、編集者のMさんを拝み倒して締め切りを一日だけ延ばしていただく。
「そんなこといって、また遊びに行くんでしょう〜」とイヤミを言われる。(でも、当たり!!)。
で、編集者Mさんの「預言」を裏切りたくなかったせいもあり(ひとのせいにする)、自宅から片道自動車で一時間強走ったところにある安倍奧の「赤水の滝」を見に行く。思い立ったが吉日、昔の人の云うことに間違いはない。迷うな、締め切りを延ばしてでも即行動せよ、至言はそう教える。よってこの「逃避」は正しい時間の使い方である。なぜなら滝はわたしに未知なるエネルギーを与えてくれるからだ。
安倍奧からの帰り道、車窓越しの月明かりがあまりにもきれいだったので、道路脇に自動車を停めてお月見。おかげさまで、エネルギーがフルチャージできたので、自宅に戻りたまっていた本を二冊読む。既にお気づきであろう。そう、読書でエネルギーを使い果たしてしまい、またまた原稿が書けない状況に。しかし、日が変わるギリギリのところで何とか約束を果たす。まったく もー 綱渡りである。
原稿をメールしてすっきりしたので、某流通業販売促進部部長のN目さんから頂いた『猫のゆりかご CAT`S CRADLE』(早川文庫)カート・ヴォネガット・ジュニアを読む。ヴォネガットの根底を流れている「唯一わたしがやりたかったのは、人々に笑いという救いを与えることだ。ユーモアには人の心を楽にする力がある」を存分に味わう。「癒す」のではない。「楽にする」のだ。
著者の企みは、ボコノン教という宗教をフィルターにしながら、あらゆる価値観や世界を全否定していくことにある。そのストーリーテリングが実に巧妙なのだ。巻末はこんな風に閉じられる。「もしもわたしがもっと若ければ、人間の歴史の愚行を書くだろう。そしてマッケーブ山の頂にのぼり、歴史を枕に横になる。そして地面から、人を彫像にする青白い毒をつまみあげ、みずから彫像となるだろう。おそろしい笑いを浮かべ、あおむけになり、天にいるだれかさんを見あげるのだ。親指を鼻の頭につけ、てのひらを広げた格好のまま」
以前読んだサイエンティストのリチャード・ドーキンス『神は妄想である』がふと脳裏を過ぎった。
N目さん、ビアガーデンにロック喫茶、ほんとうにごちそうさまでした。
フジテレビ系テレビ静岡の情報番組「パロパロ」のゲストコメンテーターに出演させていただく。このレギュラー番組出演の前に、わたしには毎回必ずやることがある。
それはまず、自分が話したいことをやや大ぶりの付箋に「一考察 一枚」方式で書きだすという作業だ。毎回それは20枚ぐらいになる。それをさらに自分にとって大事な順に並べ替えておく(この時点で大体すべてが頭に入る)。また番組内容に関係することで事前に見ておける場所は出かけておいたり、買えるモノ、入手可能なモノは極力事前に手に入れておく。
そうして当日の朝を迎え、スタッフミーティングに入り、ディレクターやアナウンサーとのやり取りで、即興で頭の中の付箋を並べ替え、余分な付箋(情報)を思い切って捨てて、いざ本番へ、という運びだ。
実際に本番で話せることといえば、せいぜい付箋二枚分程度である。付箋一枚分の時もある。例えばきょうもそうであった。では、その分量しか話せないから二三枚分だけを書きだしておけば良いかという、決してそんなことはない。五枚の付箋が一気に一枚分になってしまうことがあるからだ(情報圧縮)。この一見余分な作業こそがとても大事である、ということをわたしは経験的に良く知っている。
そんなわけできょうは、事前にあれやこれやと整理しながもひと言もコメントできなかったのが、モモエリこと桃華絵里さんのこと。モモエリさんは雑誌『小悪魔ageha』で活躍するトップモデルであり、ドレスやアクセサリーをデザイン販売したり、PR事業を促進するための会社を切り盛りする若き経営者(26歳だったかな)、なんと我が郷里、静岡市在住。彼女のVTRが流れただけでスタジオの空気が変わる(るきあくん お誕生日おめでとうございます)。
この雑誌『小悪魔ageha』のコンセプトが「今よりもっとかわいくなりたい美人GALのための魔性&欲望BOOK」というからだいたい内容は想像がつくだろう。「魔性&欲望」である。詳しくは「脳内探訪」のバックナンバーをみてください。
◎http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/408.html。
◎モモエリさんのブログhttp://ameblo.jp/momokaeri/
◎モモエリさんの会社 株式会社モエリーhttp://moery.jp/index.html
番組が終わって携帯を見ると、何人かの方からメールが入っている。なかでもおもしろかったのが某新聞記者からコメントであった(以下そのまま)。
「きょう『パロパロ』でやってた『モモエリ』 10ヶ月前ぐらいに会って話したことがあるよ。(※ここから二通目のメール) 去年京都に行ったとき、夜、祇園に飲みに出たんだけど、静岡から来たっていうと 行く店行く店で彼女(モモエリ)の話がでるわけ。それで好奇心旺盛なわたしとしては一度会いたくなって、お話させていただきました」
おいおい、職権乱用だよ〜(笑・わかっています、お仕事ですよね) それから「行く店 行く店で」って、いったい何軒ハシゴしたんだい。
同じく番組内「探Q係」で取り上げた「静岡市駿府公園(駿府城跡地)のお堀の水はなぜあふれないの? どこから水は来るの? 流れ出た水はどこへ行くの?」も興味深かったな〜。
番組終了後、寄り道しないで直帰。頂いた温泉・入浴剤セットで 「あ〜 良い湯だな〜」
Y本さんがおくってくださったドイツ製のハチミツ・ディスペンサーにさっそくハチミツを入れて陽の光に翳すと、それはそれはハチミツの何とも言えない色が目の奧に映り、うっとり。 いつも泊まる巴里のホテルを思い出す(ウソ)。
カフェ「aura」の吉崎さんお勧めのカフェ「スズメ珈琲店」(静岡市清水区興津)で挽きたてを一杯。さすがにカフェの店主お勧めのカフェ、珈琲もおいしければ接客も気持ちが良い。ただし、今月いっぱいで閉店とのこと。十月には臨時営業で「一柳綾乃展」。では、またそのときに。
友人H宅で身体施術を受けながら、備前八代忠吉の新々刀を拝見する。地鉄が無地風で綺麗につんでいるが、べっとりとしており、新々刀特有のこの地鉄を俗に「無地肌」「鏡鉄」ともいう。日本刀がわかると、もうひとつの日本美術が見えてくる。
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