平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

生け捕るということ

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吠えるだけなら簡単である。自画自賛も簡単だ。理想を掲げるだけなら誰にでもできる。きちんと節度を持って目標を定め、狙うものは狙う、手に入れるものはきちんと手に入れる。
ただぼ〜としていても向こうから何もやってこない。大切なのは相対的なモノとの関わり方である。自然の中で力を抜いてすべてを任せていれば、向こうから何かが(勝手に)やってくるというのは幻想である(その境地に達するには血のにじむような努力がある)。お気楽主義である。そう思う人は果たして芭蕉も空海も最澄も一休も西行も何にもしないで、ただ自然に身を任せていただけだと真剣に思っているのだろうか。一遍はただ無邪気にダンスをしていただけだと思っているのだろうか。それは粗悪な偉人伝の読み過ぎである。
途なかばで目標を曖昧にした人間はよく「自然の力」を持ち出す。すべては「宇宙の法則」であると嘯く。その宇宙の法則ってなんですか?といっても満足な返答は何一つない。そんなものである。
それは成果主義ではない。獲りにいくその積極的な過程にこそ学びのすべてがある。少々古風な言い方だが、それは「生け捕る」ということだ。

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