平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

開封する  〜もっとも基本的なデザインの話

kamaage

◆多くの人からは、そんなことどーでもいーでしょ〜、と半ば呆れらるだろうが、商品のパッケージ・デザインに幾度となく係わってきたために普段から、おや?と気付くことが度々ある。そのいくつかは過去にも書いてきた。

例えば、このひとくちサイズの釜揚げ商品。さて、商品を正面に見たとき何か違和感を感じないだろうか。開封するときのことを想像してみて欲しい。
わたしならパッケージの裏面もちらりと見るが(このご時世ですからね)、最終的には商品の正面を見ながら開封するという行為に出る(多くの人が無意識にそうする)。
と、どうだろう、右利きのわたしが開封しようとすると・・・開封のための切り込み、どちらについていますか。はい、相馬君。その通りですね、左です(写真、左上)。ということはわたしは商品をもう一度裏返しにしてから開封しなくてはならない。そんな細かなことはどーでもいーでしょー。面倒くさがり屋さんね〜と叱られそうである。
しかし、こういった細かな行動の積み重ねがやがて大きなストレスへと変わっていって、終いにはこんな商品買わないぞ!となる。とくにそれに気付いてしまったあとは顕著だ。そもそも人間というものは、そういった面倒くさがりにできている。。
スーパーやコンビニで、少しでも入り口近くに自動車を駐車しようとしませんか。しないとはいわせませんよ。
ちなみに世界人口でみると、左利きが占める割合は10パーセント程度。日本でもほぼこの割合。これは左右どちらに切り込みを入れた方が適切かという二者選択の議論ではない。左利きもこのパーセントであるが故に、両側に切り込みを入れておく配慮が必要だというのがわたしの考えなのだ。

http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/734.html


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