『3/527』
※事故原因とされる圧力隔壁。ただし、未だに真相は薮の中。
◆手元にジャンボジェット機のフライトレコーダーのCDが一枚ある。そこには実に生々しいコックピットと管制塔とのやり取りが録音されている。それは、あの日本航空123便 東京(羽田)発、大阪(伊丹)行きボーイング747SR-46のものである。「あの」とは、1985年8月12日 御巣鷹山(正確には高天原山に属する尾根)に墜落した日航ジャンボ機のことである。
お盆というラッシュ時、それに出張のビジネスパーソンらが利用していたために、機内は満席の状態だったことが被害を恐ろしく大きくした。歌手の坂本九さんが搭乗していたことでもおおくの人の涙を誘った。
マスメディアには取り上げられない現場の様子は、FFといって週刊写真誌『FOCUS』『FRIDAY』、あるいは後続誌の『Enma』が競って、目を覆いたくなるような生々しい写真を載せていた(写真集『3/527』のタイトルは特に印象的に残っている。すなわち搭乗者527人中、奇跡的に生存されていた方が3名という意味のタイトル)。
わたしは当初からこの事故に並々ならぬ関心を寄せていた。というのも、ちょうどジャンボジェット機に関する記事を書いていた時期で、ついでに云えば当時この事故を追いかけていた記者(新聞系)がたまたま知り合いだったこともある。そんなわけで、事故発生時からしばらくの間、出版されるほとんどの関連書籍や新聞を読み漁り、群馬の地方紙にまで目を通して、事故解明の進捗状況を見つめていた。
この度、その取材現場をテーマとして扱った映画『クライマーズ・ハイ』が映画化されたので観に出かけた。山登りを趣味とする新聞記者を通して、日航ジャンボ機墜落の報道現場に迫るという内容で、大柱の新聞報道の現場に加えて、小柱に、墜落の尾根と山登りのシーンの二つが重ねられるように描かれている。
ひと言で云えば、(実際の報道現場の方の反論を気にせずに云えば)報道現場を誠実に扱った迫真に迫る映像であった。全権デスクの悠木(堤真一)の演技が実に良かった。監督は静岡出身の原田眞人。
◆座談会の進行と打合せの隙間を狙って『インディ・ジョーンズ 〜クリスタル・スカルの王国』を観る。
こういった考古学の大学教授には手放しで憧れます(笑) この乖離した二面性を持つキャラクターが本当に羨ましいです(笑)。
映画の本編は、えっ、こ、これですか〜?!という 大団円。
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◆静岡大学の学生G藤さんとK池さんに、真夜中のカフェに呼び出される。
「こらこら、田舎に引っ込んでないで社会の空気をちゃんと吸いなさい」というお叱りか。どきっ。
いやいや、どうも違うようだ。これはどうやら彼女たちが今進めようとしている企画の相談らしい。
「ふむふむ、そういったことなのね。そもそも企画というのはね、紙の上のレイアウトだけではいかんともしがたいものです。もっと構造化と立体化の問題です」というお話をさせて頂きながら、カウンターを陣取る。そこへアーティストのI柳さんも加わり、一盛り上がり(こらこら、I柳さん、「そばちょこ」って、「そばチョコ」じゃありませんから。「蕎麦猪口」ですよ。でも、バレンタインにはヒットするかもね。いっしょに商品化しますか?(笑))。
わたしは彼女たちのように志の高い学生に対しては、他のことを切りつめてでも応援したいと思っている。参加しますよ、その企画。