平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

早く知りたい  簡単に知りたい

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特に最近では、人々は答えを簡単に見つけるために一生懸命に汗をかく。
「簡単に見つけるために一生懸命」というのがミソである。
答えがすぐに欲しいのである。
欲しい、欲しい、欲しい、欲しい、欲しい・・・答えがすぐに欲しい。
解りたい、解りたい、解りたい、解りたい・・・簡単に解りたい。
そうして、木を見て森を見ない、そういったことをよくする。
だから、根本的な問題を突きつけられると、ハッと目を見開いて呼吸ができなくなる。
いやいや、それならばまだ良い方で、何が悪いのかと開き直る輩もいる。

マルセル・デュシャンが云った言葉を思い出す。
「解答はない。そもそも問題がないのだから」。

本来ならば時間を掛けて、体を張って、手を使って、一生懸命に汗をかくからこそ「それ」を手に入れる資格があるのではないか。

フランスの美術史家 アンリ・フォションはこう喝破する。
「芸術は手でつくられる」

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