ノートってどうやってとっていますか? と聞かれて
写真1
昨日2008/5/11の有度サロンは「柄谷行人(文藝評論) × 池田雄一(文藝評論)」であった。
その後、偶然お二人の方から、今回のような難解な話を平野はどのようにノートを取っているかというメールを頂いた。お二人にそれぞれメールをと思ったが、ビジュアル付きの方が多少なりともわかりやすいし、根っからの面倒くさがり屋なので、この場に、えい、やー!とアップすることでご勘弁願おうというシケた魂胆である。
と言っても特別なnotationがあるわけではない。いつもはこんなふうにしている、といった程度のことである。
一応、昨日のノートを「手を加えずそのまま」アップしてみる。話を聞きながら、同時にレジュメを読みながらノートを取っているので(早さ勝負)、かなり雑な字で読みづらいと思うが、自分が読めればそれで良いので気にしない(実は、後から別のノートにまとめるときにも、字のうまさは変わるわけではない)。
▽事前に配布されたレジュメにざっと目を通して、キーワード、人物名をチェックする。ぼーっと読まない。とにかく、流れ(講師の文脈)を頭に入れておく。読書と同じで、この事前作業がかなり大事になる(写真3)。
写真3↑ 事前に配布された柄谷行人氏のレジュメに、書き込む。
▽講座の始まる前のちょっとの時間を利用して、事前に配布された資料から登場人物を抜き出し、対比の生没年譜(※写真4)をつくる。
▽講師の話を聞きながら、同時に配布のレジュメに目をやり、必要な項目を拾い出し、関係が一目で分かるように「関係図」をつくるようにメモしていく。
講師のはなし意外でも、自分が知っていること、思い出したこと、思いついたことを同時にメモする。
▽分からない言葉、概念は脇にそれを書きだしておく。特に専門用語が出てくる話は可能であれば、ICレコーダーを使うが、現実的にはあまり聞き直すことはない。インタビューでは、後から言った言わないの問題に発展しないよう、保険としてICレコーダーを回しておく(ICレコーダーの録音の場合には、たぶん「回す」とは言わないだろう、おっさんだから・汗)。
▽Notationの途中では、思い出せない漢字にこだわらない。平仮名、片仮名でとりあえず書いておく。
▽更に小休止がある場合には、講師の話以外で気になった点を書き加える。
▽講座修了後、自分がメモしたノートに、途中で分かったこと、気付いたこと、疑問点を「朱」で書き込んでいく。
▽こうして書いた「殴り書きノート」を、時間のあるときに「本番用のノート」(自分の場合にはMOLESKINEに書き写す)に、「覚える気になって、手書き」で書き写す。書いたことを伏せて諳んじてみることもある。
▽難解な話で文脈が理解できないときには、問題の箇所から傍線を引き「?」をつけておく。要するに、「解らない場所にも席をつくっておく」ということである。解らないことが、なぜそのまま放っておかれるのか。それは「解らないところが解らなくなってしまう」からである。解らないところがしつこく、「ここが解らないよう〜。今すぐに何とかしておくれ〜!」と叫んでいるようにしておくのである。
※【追記】さっそく手書きノートの画像が見えない!とお叱りをいただいたのでアップの写真を載せる。参考にはなりませんが・・・
写真4↑ ミニ年譜
写真5写真6
※いつもは、一番、二番に受付を済ませる。昨日はいつもより15分も早く会場入りしたのに、既に大勢の人がいた。みんなの気合いが違っていた。聞こえてくる声から、静岡県外からの参加者が多かったようである。柄谷ファンであろう。
※ご質問にお答えします。 写真4のミニ年譜は電子辞書を使ってその場でつくります。五分です。あくまで字のうまさよりも、スピード優先です。自分用ですから。