平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

友人がカレー屋さんをオープン?! さて・・・

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以前、美容師のヘアメイクコンテストの審査を担当した。そのときに学生代表審査員として登場してきたのが、ミスコンで優勝をさらった榎戸教子さんであった。
その教子さんは信用金庫のイメージキャラクターを務め、そのあとスペインへ留学、帰国して山形のフジテレビ系列さくらんぼテレビ入社し、そうしてテレビ大阪に移籍してキャリアを積み、このほど独立してカレー屋さんをオープンした(笑)。いや、そういうわけじゃないんですがね。モゴモゴモゴ・・・まあ、おいしそうなので食べに寄ってあげてください。平野のサイトを見たといえば割引があるかも(ないない)。
http://curry123.exblog.jp/

カレーといえば、私も週に最低五食はカレーを食べるという、つとに知られるカレー好きなのだが(きょうも昼はカレー。昨日は二食がカレー)、ちょっとここに書いておきたいことがある。ある全国展開をされているカレー屋さんのスプーンの話だ。
そのカレー屋さんではスプーンが紙の袋に入って出てくる。私はこれにどこか違和感を覚える。清潔な環境でお客様にサービスを提供しようとなさっているのだろう。それはわかる。しかし、清潔さを確保したいのなら、どこでも使っているカトラリーの籠に入れて出せば済むことだ。そもそも袋があるからといって、いったいどのくらいの除菌効果があるのだろう。それとも単に業務の省力化のためにやっていることなのか。
スプーンを入れてある紙は、お客の前に出てきてから、ものの5分でその役割を終える(もちろんそれ以前から役割を担っていることもわかる)。あとは真新しいままゴミとなる。生まれ変わりがあるとするなら、少なくとも私はこの紙袋にだけは生まれて来たくない。
私はこのお店が運営する本部サイトから「ひじょうに謙虚な態度」で、この袋を取りやめることによって経営コストも環境にも負荷が掛からないことをご指摘申し上げた。その返信メールはだいたいこんなふうだった。
「ご指摘ありがとうございます。スプーンの袋は全国のチェーン店に強制されているものではありません。各店の判断に任せています。ご意見ありがとうございます。今後の参考にさせて頂きます」。
ほぼこのようなお返事をいただいて約半年が経つ。出張の度に同店の看板を掲げるお店に寄らせて頂くのであるが、いずこも同じサービスで、それは変わる様子はない。もちろんご判断はこのお店の自由である。私は経営者でも株主でもないのだから当然だ。
ただし、このチェーン店では、一日全国で何万食のカレーが食べられているのか知らないが、そのコストたるや大変なものであろう。容易に想像がつく。私が経営者ならとっくに経費削減の為に廃止している。
もちろん紙を使わない分、環境にも負荷が掛からないだろう(再生紙を使っているという説明はそのときにもなかったし、いろんな店内を覗いても、そのどこにも表記はない)。
言っておくが私はけっしてこのチェーン店の営業妨害をしたいわけでもなく、ストイックな環境問題の運動家でもないし、スプーンを包む紙屋さんの営業を妨害したいわけでもない。
企業というものは、「当たり前」になっていることに気づけないし、たとえ気づいたとしてもそこからなかなか抜け出せないものだ。そこには色々なお付き合いもあるだろう。それも何となくわかる。
それから、本来であれば私はこのような発言をあまり好まない。例えば「それって、環境によくないよ」という言い方は、そこに「都合と立場」が絡む限り相手との距離がひらくばかりかけっきょく何も生まない。ビッグワードを振りかざす正論は議論を常にフリーズさせ、エントロピーを増大させる可能性をひめているからだ。
このカレー屋さん、味も材料もサービスもメニューの表記も大変良く研究されている。芸能人ファンも多いみたいだしね。おしいな〜とおもう。
きっと榎戸教子さんが本格的にカレー屋さんをオープンするときには、紙で包んだスプーンなど提供しないはずだ。それが真のサービスだなんて勘違いしないだろう。賢い人だからね。
念のために云っておくが、教子さんは現在フリーのアナウンサーである。カレー屋さんじゃないよ。

//////(某カレーチェーン店からのお返事2007.12.24 pm6:37)/////
平素は弊チェーン店をご利用いただき誠にありがとうございます。
また、ホームページへのご投稿あわせてお礼申し上げます。
早速ですが、弊チェーン店では環境面などを考慮し、フォークやスプーンを
提供する際にボックスを使用している店舗もございます。
運用方法といたしましては、テーブル席へご提供する場合を中心に使用しております。
しかしながら、店舗の運営状況や保管スペース等の理由により
運用がうまくできていない店舗もございますので、
このたびご投稿いただいた内容は、今後における貴重なご意見として
早速弊社担当部署へ伝達をいたしました。
これからも皆様のご期待に応えるべく、よりご支持いただけるよう
精進してまいる所存です。
ご投稿ありがとうございました。
coco-coco-coco-coco-coco-coco-coco-coco-coco
株式会社○○○○ お客様サービスセンター
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カレーといえばここもね ↓
http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/326.html

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