講演 その2
わたしは今こんな顔である!!!
その通り、怒っているのだ。
生まれてこの方、身辺に起きた楽しかった想い出を100個ぐらい同時に思い出して
自分のご機嫌を取ろうとしているのだが、どうにもうまくいかない。
あわてるでない!
今から理由を書く。
以前 作家の逢坂剛さんのミニ講演(会場の都合か30人程度の贅沢な席)に出かけた折、講演中に参加者のケータイが鳴った。わたしは眉間にシワを寄せ、ケーベツのまなざしでソ奴を睨み付けてやった。すると、なんと、そのおばはん、そのままケータイで話し始めたではないか。狭い部屋で、作家の声とおばはんの声が交錯する。
は〜〜〜っ??? おいおいおい、なんだ なんだ 何が起きているんだ、今この狭い会場で!! 信じられますか? 作家が講演している最中、しかも30人程度の狭い部屋ですよ。
過日、ある作家の講演中にやはりケータイが鳴り響いた。そうしてまたもやその主がその場で話し始めたではないか。言語道断。わたしは跳び蹴りをくらわしてやりたくなった。そう思ったわたしに罪はないでしょうーーーっ!!!!!!!!!!!!!
作家は黙って話を進めていたいが、心中いかばかりと察した。
で、本題はここから。
つい先日わたしが講演をした際、このケータイ話を枕に話をはじめた。わたしは苦笑交じりに「かくかくしかじか。わたしの話がつまらなかったらケータイでも鳴らしてください」とジョーダンを飛ばした(もちろんジョークである)。
すると、どうだろう、話が始まって20分ぐらいしたら、本当にケータイが鳴り響いたではないか。会場は凍り付いた。持ち主はあわてて電源を落としていたが、わたしは話を続けるかどうか本気で迷った。
これらは決まって「近頃の若い者は!!」といっている世代である。
わたしの話が本当につまらなかったのか。
いやいや、反省なんかしている場合ではない。
なんと素直でいい奴なんだ、おいらは。
今度、万が一講演中にケータイが鳴ったら、たとえ、平野はタカビーだと罵られようが、その時点で絶対に、必ず、間違いなく、誰が何と言おうと、天変地異が起きようと、株価が暴落しようと、吉永小百合が止めたって、傾城の美女が裾をつかんで号泣しようが会場をとっとと出ていってやる。
絶対に許せん!
これにて講演終了!!!!!
SE:バタン(ドアを思い切り締める音)