たとえ、吉永小百合に誘われたって
ジェットコースターとカボチャと注射が死ぬほど嫌いである。
きょう学生から、「妙な味です、食べてみてください」と一欠片のチョコレートを口に押し込まれた。ななななんとパンプキン・チョコレートではないか。げげげ。吐き出すわけにもいかず、唾とともにゴクリと呑み込み、口直しに学食でチャーハンを喰らった。う〜 未だ鼻から抜けるニオイが残っている。死にそうだ。
おまけに今週は、検査のために採血の注射を打つはめに。しかも三本も一度に。おいおいおい、聞いてない、聞いてない。小心なところを看護婦さんには悟られまいと、瞿瞿とする様を抑えながら腕を出したつもりであったが、その腕をピシャピシャと叩かれながら「そんなに緊張しなくても大丈夫、大丈夫」と一笑される。バレバレである。顔から火が出そうになって血圧測定に影響を与える。まずい、まずい。
注射なんか何ともないという方には想像もできないだろうが、「さあ、今から注射ですよ〜」という宣告は、繊細わたしにしてみたら断崖絶壁に爪先で立たされている気分だ(立たされたことはないので想像である)。以前、祖父が救急車で病院に担ぎ込まれた際、医師から注射を打つので足首を押さえていて欲しいと頼まれ、その状況を爪先側から観察していたわたしが貧血を起こし、祖父とベットをともにしたほどである。冗談ではない。注射を見ると握り拳にまったく力が入らなくなる。
残されたのはジェットコースター。以前ディズニーランドで「カリブの海賊」という乗り物に乗せられ、わずかな高さを滑り降りただけで、一日具合が悪くなったほどだ(二度と乗るもんかっ!吉永小百合に誘われたって乗らないぞ!)。カボチャのチョコ、注射と続いたので、寝ている間にジェットコースターに乗せられる悪い夢だけは見ないように努力したい。
海賊で思い出したけれど、「和寇」、あれは教科書以外できちんと調べてみると面白い。思わぬ事実が浮かんで来る。