平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

表装作家・麻殖生素子の圧倒的な力強さ  2008/01/06

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 麻殖生素子------「まいお・もとこ」と読む。コム・デ・ギャルソンが世界で一番似合う表装作家である。表装作家、聞き慣れない言葉かもしれないが、掛け軸や屏風などをデザインする職人をいう。職人と書いて、何か少々自分の中に違和感が残る。アーティストというのでもない。なぜなら彼女は、職人でもなくアーティストでもなく、その間を往来する人物だからである。

 麻殖生さんとは、ある人の仲立ちで、わたしが彼女に一冊の本をプレゼントしたことがきっかけで仲良くさせて頂いている。そうして彼女の作品展「脈動する軸 中川幸夫+麻殖生素子」http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/182.html
をお手伝いし、那須に『家庭画報インターナショナル』の撮影にもご一緒頂いた。伝統を踏まえた革新という言い方があるが、何か口幅ったい感じがして恥ずかしくなることがある。だがまさに麻殖生さんの創りだす世界はそういった作品群なのである。なんなら彼女の作品を、織部好みの茶室、高千穂峡、コロッセオ、サバンナ、摩天楼のビルの壁面、パリの石畳、そのどこでもよいので設置してみたらいい。一目でわたしの云わんとすることがご理解いただけるだろう。

 その麻殖生素子さんにまた海外から声が掛かったと聞いた。


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※以下、いただいたご案内。

ケネディー・センター日本特集フェスティバル
「ジャパン! カルチャー+ハイパーカルチャー」
[屏風作家・麻殖生素子さん、30メートルの作品を出品!]
米国ワシントンDCにある準国立文化機関ジョン・F・ケネディ舞台芸術センターにて、今年2月5日〜17日、日本特集フェスティバル「ジャパン! カルチャー+ハイパーカルチャー」が開催される。
 2週間にわたるフェスティバルは、日本文化の奥深さと芸術の多様性を兼ねそろえた幅広いプログラムとなっている。このイベントに屏風作家の麻殖生素子(まいおもとこ)さんの作品が展示される。麻殖生さんは「ヴィジュアル・アート」部門で取り上げられ、この部門での参加者は、草間彌生、安藤忠雄らの作品が並ぶ。もともと麻殖生さんは緻密で繊細な作品を創作しているが、今回の参加作品は長さが30メートルという長大なものであり、規模においても圧倒的な迫力を見せてくれるであろう。

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