平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

イチローもカレー好き   2008/01/02

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 「あなかしこ、このわたりに若紫やさぶらふ」。
2008年の劈頭は『紫式部日記』を読み初めとしてみた。「あの〜、このへんに若紫さんはおいででせうか」。そう道長にジョークを云わせた『源氏物語』はやっぱり「若紫」の巻が良いですね。どこで読んだかって? 光源氏も来ない布団の中である。そう、忌々しい偏頭痛でいきなりの寝正月、仰臥しての『紫式部日記』であった。

 予定していた大掃除もそのまま。掃除機が暮れの疲れを残したまま廊下でふて寝をしている。それを無視してまたいで通る。とりあえず、頭痛薬のイヴを飲んで炬燵に足を突っ込み、「月」と「ソシュール」をノート約20ページにまとめる。金釘流だが、やっぱり手書きは良いな〜。
 移動中に廊下に置いてあった新書のコピーが目に飛び込んでくる。「部品のことはいいから、まずは運転してみたら」。なるほど、いいところをついているコピーである。わたしたちは自動車がどういうメカニズムで走っているのかうまく説明できなくても、自動車を運転することは確かにできる。果たしてこの考え方が自らの学びの場にも活かせるか。

 NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」はイチローの特集だった。イチローについては既に書評や講座でいろいろ語ってきたのでここでは記さない。でも肝心な情報を掴んでいなかった。それはイチローが七年間もずっと来る日も来る日もカレーを主食にしてきたことだ。七年間ですよ、七年間毎日。いやいや、たんにカレー好きというだけではないだろう。イチローは、「パターン」の人なのだ。微妙なパターンをコントロールすることで、自分自身の身体や気持ちのバランスを取っているに違いない。何しろ、自身のパターンを狂わせたくないので、他の選手のバットやグローブには一切触らないという。
いずれにしろ、イチローの原動力はカレーなのである。どうやらそこだけは同じだが・・・。

私連れの戯言はやめにして、さて、今年もそろそろテイクオフ。気随気儘に参ります。

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※写真は書評を書いたときに球場まで撮影に行ったときのも。

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