ゲーテと暁斎と宗二の併読
頭が痛い。世の中に対してではない。頭が割れるように傷むのだ。持病の偏頭痛だ。埋め草など綴っていないで、横になったらどうかと自分でも思う。だが、きょうやっておかねばならいことが山のようにある。誘惑してくる書物が大量にある。
そんなわけで感想は添えないが、先週から今週にかけて移動中と寝る前に読んだいくつかの書物をタイトルだけ備忘録として記す。
岩波古典文学大系「武道伝来記」、ゲーテの自叙伝「詩と真実」、熊倉功編「山上宗二記」、ジョサイア・コンドル著「川鍋暁斎」、坪内祐三の「考える人」、市川春猿「女づくり」。特にゲーテは岩波文庫四冊の大著で、翻訳のリズムが合わないせいか一冊目の途中で早くも投げ出したくなったが、二冊目に入ったあたりからぐいぐい引っ張らてゴールした。山上宗二記は、利休との蜜月の十年間が色濃く出ている茶の湯の「記録」である。読んでおいて本当に良かった。
読書とは、食事と同じである。先週食べたもののほとんどは覚えていないが、確実に血になり肉となり、生命活動を維持している。読後感を忘れることを恥じる方もいるが、なになに、忘れて良いのだ。だからこそ書物があり、図書館があるのである。