平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

パークマネジメント  2018/07/23

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「藤枝市陶芸センター30周年特別企画 Kim Se Wan × 前田直紀 ~現代に生きる国際交流、陶芸の形~」に足を運ぶ。

フィンランド 世界最北の陶芸薪窯プロジェクトで交流を深めてきた藤枝市陶芸センター館長 前田直紀氏と韓国の陶芸家キム・セワン氏による二人展。

キム・セワン氏の造る茶碗は、かなりヤバイ。穴を掘って1年も埋めて時代を付ければ、これは名品・井戸茶碗だといっても判断がつかないほどの出来映えだ(もちろんそんなことをしてはいけませんが!)。掌にちょうど良い大きさでもあった。あいにく持ち合わせがなく、また分不相応と自覚し購入を控えたが、代わりわたしでもなんとか手の届く器2点(写真)を手に入れた。こちらもかなりのいい造りだ。

ちなみに会場となったのは、静岡県藤枝市にある蓮華寺池公園内の倉庫(「小屋」といってもいい。昨今は、建築家やミニマリストの提案よって「小屋」への関心も高まっている)。築約60年のこの倉庫が、最近、市民やアーティストらの力も加わってリノベーションされ、パークマネジメントの視点によって甦りはじめている。民間のこういった積極的な動きに対して、行政はこのタイミングできちっとこの行為とおもいを受け止め、協働することを考えたい。公園は、民間の力だけでは活用が難しい。課題はいくつかあるだろうが、官民いっしょになって知恵を出し合い乗り越えたい。

パークマネジメントと言えば、国内でもモエレ沼公園(札幌)や南池袋公園(豊島区)、万博記念公園(吹田市)、静岡県舞台芸術公園(静岡市)、はたまた以前わたしもお世話になった北山ファミリーの経営するアートビオトープ那須のボタニカルガーデン〈水庭〉(石上純也プロデュース)などが注目を集めている。一方、世界に目を転じてみれば、ロンドンのハイドパークやニューヨークのドミノパークがそうであるように、公園は、今やインバウンドの目玉にもなる観光スポットとして育ちつつある。公園は、たんに散歩や暇つぶしの場所ではない。


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