驚異の写真家 Charles Fréger 2018/06/26
・Charles Fréger『WILDER MANN -THE IMAGE OF THE SAVAGE- 』(Dewi Lewis Pub,2012)
・Charles Fréger『YOKAI NO SHIMA 日本の祝祭 万物の宿る神々の仮装』(青幻社,2016)
先般、あるプロデューサーのお宅で集まりが、そこで偶然手にした写真集に改めて衝撃を覚えた。
その写真家のことは新聞や雑誌で度々目にしていたし、記事も切り抜いていた。HERMESがその活動に注目し、日本でも紹介していたことは記憶に新しい(2016年 於・銀座メゾンエルメス フォーラム、会場構成:建築家・松島潤平)。だが、改めてひとまとまりの写真集という媒体で見せられると、その視線の驚異に心拍数が上がった。
写真家の名前はCharles Fréger(シャルル・フレジェ)。1975年フランス生まれ。人類の営み、精神、土地の持つエネルギー、祝祭、伝承等を、カメラを使って土の匂いまで写し取る驚異の写真家である。
見よ、この人類の営みを。数々の歳神を、獣人を。もはや、そこにいるのは人間ではない。白い表紙の洋書では、欧州の獣人・仮装する原始の名残を。一方、赤い表紙の写真集(日本語版)では、五穀豊穣、子孫繁栄を願う祭りや年中行事をフィルムに納めている。この多様性をどれだけ多くの日本人が知っていただろう。Charles Frégerが日本を、改めて「妖怪の島」と名付けた理由がこの写真集に表現されている。ファンションデザイナーのみならず、舞台衣装や仮面づくりを生業にしている人間は、人類の創造力からもっともっと学ぶべきだろう。
久しぶりに興奮し、震えた。
◆『YOKAI NO SHIMA 日本の祝祭 万物の宿る神々の仮装』は、2013-15年にかけて日本全国で撮影されたもの。
◆HERMES公式サイト
http://www.maisonhermes.jp/ginza/le-forum/archives/14259/
◆VICE JP公式サイト
https://jp.vice.com/art/charles-freger-yokai-no-shima
◆YouTube 一部撮影の様子がわかる(※音が出ます)
https://www.youtube.com/watch?v=o3p-qLlLi1E
https://www.youtube.com/watch?v=hHPePyZCoBk
https://www.youtube.com/watch?v=qhG6tXQIRrw
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