平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

吉増剛造さんの中に見付けた飴屋法水さんの言葉  2018/06/23

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書店のアルバイトに苦労をかけて袋に入れてもらった分厚い本(なんと全1242ページ)吉増剛造『火の刺繍』(響文社)を店頭でパッと開いたら、この冬大学のワークショップでお世話になる飴屋法水さんが、吉増剛造さん、佐々木敦さんと鼎談しているのが目に飛び込んできた。

「ぼくは、美術家みたいに便宜的に紹介されることはあるけど、展覧会で見せるようなことは全然できなくて、何ができるかわからなけど、場が・・・その空間がどうなりたがっているのか・・・それがわかると言うとおこがましいけど、聞くというか、そこでぼくがせいぜいできることは、その声に耳をすまして聴こう、従ってみようとすることだと思うんです」(p.931)。

必要な情報は、必要だと思っていると向こうからやってくるものである。
取り組みの間に入ってもらっているHさんのプロデュースにも大いに期待したい。






◆飴屋法水(あめや のりみず)プロフィール
現代美術家、演出家、劇作家、アートパフォーマー。
唐十郎の「状況劇場(紅テント)」にて音響を担当後、「東京グランギニョル」を結成。注目を浴びるも4作品で解散。 90年代は活動領域を現代美術の場へと移行。人間の身体に一貫してこだわり続け、輸血、人工授精、感染症、品種改良、化学食品、性差別などをテーマとして扱った「ダッチライフ/Duch Life」シリーズを次々に発表。95年にはヴェネツィア・ビエンナーレに「パブリックザーメン/公衆精液」にて参加するも、その後美術活動を停止。 同年、珍獣と「同居」したい人への斡旋、ミミズや寄生虫などあらゆる生き物を等価に売買する「動物堂」開店。 2007年、飴屋法水の演劇復帰を望む宮城聰の企画で、平田オリザの戯曲「転校生」を演出。静岡在住の女子高生18名と老婦人を起用し、SPACにて上演。その「転校生」が2009年のフェスティバルトーキョーに招聘され、その後演劇活動に復帰する。14年、いわき総合高校の生徒たちと校庭で上演した「ブルーシート」で第58回岸田國士戯曲賞を受賞。 数々の音楽家、文筆家、ダンサーとの活動も多く、演出家、表現者として、その活動は注目を集め続けている。 近著に、娘のことを書いたドキュメント小説「彼の娘」(文藝春秋)。



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