資生堂アートハウス 『工藝を我らに』 2017/07/05
資生堂アートハウスが、この7月3日に、7ヶ月間の耐震等の工事を終えて、リニューアルオープンした。
オープニング企画は、『工藝を我らに』(第一期3回目,最終回)である。サブタイトルに「資生堂が提案する美しい生活のための展覧会」とある。
2015年からはじまった本企画は、「工藝のガラケースから救出」である。美術品として扱われ、生活から遠ざかってしまった工藝品を、生活のなかに取り戻す「運動」である。
思わず、「運動」と書いた。と言うのも、本企画は、たんに会期中にモノを展示することとは根本的に違っている。美術と生活、美と暮らしのシームレスな関係を提案することは、資生堂の企業ポリシーそのものである。近年の企業スローガン、「一瞬も一生も、美しく」を最もよく体言化したのが本企画であるといえる。
ここまで書いて、2015年度「工藝を我らに」初回の図録を確認してみた。
担当学芸員の福島昌子は、その想いをこう記す。
「・・・この展覧会は私どもの企業が続けてきた文化活動の延長線上にあるもので、個人作家による工藝品と質の高い手工業による量産品を分け隔てなく紹介していた福原信三と戦前の資生堂ギャラリーの活動を、時代と場所を違えて受け継ぎなら、今の時代に新たに発信する試みと言えるのかもしれません。
さらには、質の高い工藝品を生活の中で用いることから得られる充足感、また、その時、その使い手だけの楽しみに終わらせず、大切に受け継ぎ、使い続けていくことから生まれるであろう悦びについても、思いを巡らせる機会にできたらと思っています」(p.9)
ぶれていない。
(↓)オープニングレセプション。多くの人たちがお祝いに駆けつけた。
参加作家は以下の、5名である。
十四代 今泉今右衛門と内田鋼一、ガラス工芸では松島巌、漆芸からは小掠範彦と小西寧子。今回の展示作品には関野晃平、飯塚小玕齋、内藤四郎らの作品もある。
(↓)家具に工藝品をあわせて、美しい暮らしを提案する展示もある。
(↓)資生堂アートハウスの改修工事中には、掛川市役所で、佐藤忠良作品他コレクションの一部が公開された(2017.7.3の時点では、まだ展示されていた)。
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