またもやメモ程度のまとめ書き 2016/12/05
仕事の合間を縫って、気分転換にメモ。
覧たもの、聴いたものを順不同に記す。
◆「パーヴォ・ヤルヴィ指揮 ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団」を聴く(於・グランシップ)。
2015年にNHK交響楽団首席指揮者に就任したパーヴォ・ヤルヴィが、ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団を率いての登場だ。
パーヴォ・ヤルヴィの指揮、特に指先にずっと見とれてしまった。そこから生み出される大胆にして繊細なベートーヴェンの解釈に聞き惚れ、ベルリンフィルのコンサートマスター・樫本大進の、思っていた以上に女性的な演奏に大満足。
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品61(vn樫本大進)
シューマン:交響曲第3番変ホ長調 作品97「ライン」
アンコールは、ブラームス:ハンガリー舞曲第3番、6番
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◆足を運んでほんとうによかった。
『旅する楽士達のオアシス in Mizumiiro』(於・サジットの家=静岡市葵区水見色) ノマドのKy(キイ=仲野麻紀:アルトサックス、メタルクラリネット ヤン・ピタール:ウード 2人のデュオ) + ムッサ・ヘマMoussa Héma(西アフリカ ブルキナファソ): バラフォン
わたしの中でのKyは、なんといってもクロード・レヴィ=ストロース「De près et de loin (Paris, Odile Jacob, 1988)」から採った「近くから 遠くから」だ。だがこの夜は、あえてサックスで聴くエリック・サティも心地よかったが、なんといっても宮城県の民謡『大漁唄い込み』に心が揺さぶられた(〽松島のサーヨー 瑞巌寺ほどの アーソレソレ 寺もないとエー)。なんだろう、この歌声のような音の響きは。
また今回コラボした葬送儀礼の楽士として育ったムッサ・ヘマのバラフォンは新鮮で、参加者みなでWORKSONGを歌い上げた。バラフォンという楽器は見た目は木琴のようでいて音はやや硬質、形状も中心に向かって垂れ下がっており、音を響かせるためであろう鍵盤の下にヒョウタンが2列に並んでいる。よく見るとバチは左右違っていた。
それにしても、会場となったサジットの家のある水見色という地名のなんと美しいことか。水色でなく、水見色なのだ。サジットさんのスリランカ・カレーは相変わらず絶品だった。
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◆セレノグラフィカのダンス公演「燃える身体に清らかな水」(於:静岡市清水文化会館マリナート小ホール)上演作品『鰭と脚の狂騒曲』を楽しんだ。
「燃える身体に清らかな水」というのが、セレノグラフィカが静岡市清水区に一週間滞在してワークショップやアウトリーチを行うプロジェクトの総称である。
「やったことがあっても無くも、興味がたくさんでも少しでも、好きでも好きじゃなくても、ダンスはそっぽを向きません」で始まるパンフレットに寄せた文章にセレノグラフィカがこれまでも、これからも大切にしているすべてがあるように思う。
アフタートークで隅地さんが言った「モチーフ主義」というキーワードが妙に引っかかっている。
・「脳内探訪」内の過去の関連記事
http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/2270.html
◆芳賀徹先生(静岡県立美術館館長)の講演会(於:静岡大学)。演題は、「奥の細道を絵でたどる ~蕪村から近代へ~」
やっぱり芳賀先生には、ご本人がもう疲れたからやめる、というまで無制限で話し続けてもらうプログラムが必要だ。
◆ロジェ・カイヨワの遊びについて、ある文章へ引用しようと準備をしていたら、鷲田清一さんが『折々のことば』(朝日新聞,1面,2016.11.20朝刊)で、まさにその言葉を引用されていてびっくり。
「いかなる富も、いかなる作品も生み出さないのが、遊びというものの特徴である。」
もう真夜中の2時を過ぎた。
急に入ってくる依頼ごとが多すぎて、対応がままならない。断るのがつらい。
それから、ヨーロッパに10日間の出張は、今の自分にはかなりきびしい(ご報告、お待ちしています)。年末の一泊二日の松本がやっとこさ(涙)この数ヶ月の間に読んだ本のことも何も書けていない。興味深い本に何冊も出会えた。
芹沢銈介美術館で行われていた展示『書物のよそおい 〜芹沢銈介のブック・デザイン〜』のキュレーションの素晴らしさ、そうして島田市博物で覧た『中野和馬の陶芸』についてはやっぱり一言だけは言っておきたい。寄席・月の聴Ⅶ『うばすて村』と『二番煎じ』(噺家・月亭文都)に笑った話も忘れたくない。他にも学生たち主催の企画についても取り上げておきたいが、いったん仕事に戻ります。続きはまた。
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