思考の肺活量 2016/09/03
(↑)日本初演『ギャンブラーのための終活入門』 向かって左から 演出:田野邦彦(青年団)、出演:太田宏(青年団)、私・平野雅彦 photo:Sobukawa,YU
◆若い頃は、あれもこれもと欲張って、いろんなことに手を出した。あっちにもこっちにも顔を出した。そのために一応、「思考の瞬発力」はついた。
だが最近、ウェイトトレーニングをしながら、それと重ねあわせて強く思うのは、「思考の肺活量」の重要性だ。「思考の肺活量」とは、いかに長く一つのことを考え続けられるかということだ。若いうちは、このことが実感を伴って理解できなかった。
◆7月2日 21.8% → 8月2日 17.7% → 9月1日 14.6%
体脂肪率の推移である。9月1日までには15%を切るのが目標だったので、2ヶ月間で−7.2%は、まずまずの数値である。年内には、極力10%に近づけたい。年齢的にはかなりつらいけれど、努力はウソをつかない! 2020年 東京オリンピック・パラリンピック競技大会も視野に入って来たしね(笑)
◆青年団リンク RoMT 第6回公演 + ツアー2016 日本初演『ギャンブラーのための終活入門』を観る(戯曲:ガリー・マクネア、翻訳:小畑克典、演出:田野邦彦(青年団)、出演:太田宏(青年団))。
また、演出の田野さん、俳優の太田さんの仲間に入れて頂きアフタートークにも参加した。
まさに、本作は「思考の瞬発力」ではなく、「思考の肺活量」を刺激するにふさわしい作品である。あれからずっと、いくつかのシーンを思い出し、現実の思い出と重ねあわせながら、あれやこれやと考え続けている。
何はともあれ、今回アフタートークに声を掛けてくれた中野三希子さん(SPAC所属)に、心から感謝。
・演出の田野邦彦さんのブログ
http://www.romt.org/?p=717
【データ】
〈物語〉
「おしゃべりとギャンブルが大好きなおじいちゃん、アーチー。ある夏の終わり、癌を患い余命1ヶ月と宣告されたアーチーは、かつて1966年サッカーW杯でイングランド優勝に賭け大当たりした時に得た大金のすべてを、自分自身の残りの人生に賭ける。
私たちは何のために生き、何を残して人生を終えるのか −−−。
2015年エディンバラ演劇祭で上演され、数々の賞を受賞するなど大きな注目を集めたスコットランドの劇作家ガリー・マクネアによるハートウォーミングな新作一人芝居、早くも日本で上演!」
〈プロフィール〉
・戯曲:ガリー・マクネア Gary McNair
スコットランド・グラスゴーを拠点として活躍する劇作家、演出家、パフォーマー。現在のロイヤル・コンセルヴァトワール・オブ・スコットランドを首席で卒業後、スコットランドの数々の主要劇場・劇団にて活動を開始。また劇作家としての作品は既に複数の言語に翻訳され、世界中で上演されている。2015年のエディンバラ・フェスティバル・フリンジに参加、トラヴァース劇場にて『A Gambler’s Guide to Dying(ギャンブラーのための終活入門)』を上演。同作は「フリンジ・ファースト賞」を獲得、またその年にフリンジで上演された全作品の中からBBCが選定する「ベスト・ソロ・パフォーマンス」に取り上げられるなど、大きな話題となった。
・演出:田野邦彦
演出家/ワークショップ・デザイナー。青年団演出部所属、青年団リンク・RoMT主宰。現在、NPO法人PAVLIC理事長、洗足学園音楽大学ミュージカルコース及び帝京大学短期大学非常勤講師。
武蔵大学卒業後、1998年秋よりイギリス・ロンドンに留学。ミドルセックス大学大学院の演劇・演出コースに入学し、2001年MFAを修了して帰国。
2002年4月より、青年団演出部に所属。自主公演の企画や演出を行う傍ら、青年団主宰の平田オリザの演出助手、ワークショップ・アシスタントや海外公演での通訳などを数多く務める。2003年にはNHK放送50周年記念番組『未来への航海』にて平田が監修した中学生による朗読劇作りのアシスタントを務め、その模様はNHKスペシャルで取り上げられた。2005年に自らの活動ユニットとして青年団リンクRoMTを立ち上げ、イギリスの演劇集団The MAP Consortiumとの合同公演『ランドスケイプ ~ W・シェイクスピア“オセロー”より~』を上演。以後、2006年に鈴江敏郎の代表作『待つ』『髪をかきあげる』を同時上演、2007年にイギリスの重鎮トム・ストッパードの代表作『the real thing』を演出し、2010年8月にはイギリスを代表する新鋭劇作家マシュー・ダンスターの一人芝居『ここからは山がみえる(YOU CAN SEE THE HILLS)』の日本初演を演出。上演時間が3時間を超えるという一人芝居としては異例の規模だけでなく、衝撃的な内容と独特の演出/演技スタイルにより強い印象を残した。『ここからは山がみえる』は2011年1月に熊本、3月に愛知県小牧市でも上演された後、2013年4月に東京にて再演。続いてRoMT初の全国ツアーとして、福岡、北九州、大阪、京都、弘前、三鷹、静岡でも上演され、各地で大きな話題となった。
2015年3月、シェイクスピアの傑作喜劇『十二夜』を3週間に渡ってロングラン上演。10年来の宿願でもあったこの公演は、喜劇の名にふさわしい大きな笑いだけでなく、現代的な切なさや孤独を丁寧に掬いとって描き、初めてシェイクスピアの上演に触れる観客にも、また戯曲を良く知る古くからのシェイクスピア・ファンの間でも大きな話題となった。この公演は全公演ソールドアウトを記録、急遽追加公演が実施されるも予約開始と同時に即完売するという、かつてない圧倒的な反響を呼んだ。
近年はワークショップ・デザイナーとして幅広く活動。小学校から高校まで全国各地の教育現場で「コミュニケーション能力の育成」を目指す演劇ワークショップのファシリテーターとして活躍するほか、「防犯」「防災」「多文化共生」「教員免許状更新講習」「育パパ」「キャリア教育」「社会的弱者の就労・自立支援」など、幅広い社会テーマと演劇ワークショップのコラボレーションを全国各地で数多く手掛けている。またファシリテーター育成事業や新規プログラム作成事業などの企画・運営も行っている。2010年8月、安全インストラクターとともに連名で手掛けた新しいワークショップ『あんぜんパワーアップセミナー』が「第4回キッズデザイン賞2010 フューチャーアクション部門優秀賞」を受賞した。その他、ベトナム・ハノイ大学、青山学院大学、四国学院大学、明星大学、栃木県司法書士会、池袋コミュニティ・カレッジ等でも講師を務めている。
・出演:太田宏(青年団)
俳優。1970年大阪府生まれ。青年団所属。
青年団では、『東京ノート』『ソウル市民』『ソウル市民1919』『冒険王』『新・冒険王』『海よりも長い夜』『御前会議』など平田オリザ作・演出作品に数多く出演している。2009年には平田オリザが手掛けた世界初のロボット演劇『働く私』にも出演し注目された他、国際演劇交流プロジェクト『別れの唄』『鳥の飛ぶ高さ』ではフランス語を駆使した演技が高く評価された。
2009年にはスイス・ローザンヌのThéâtre Vidy-Lausanneとフランス・レンヌのTNB-Centre européen théâtral et chorégraphiqueが共同制作したマルグリット・デュラス作『ヒロシマ・モナムール』に単独で参加。ヴァレリー・ラングと共演し、「太田宏とヴァレリー・ラングは特別な美を持っている。彼(太田)のスピーチは上品なスタッカートに満ちている」(A・Demidoff "Le Temps" Oct.09)と評されるなど絶賛された。同プロダクションは2009年のスイス、フランス公演に続き、2010年3月にはニューヨーク公演を実施。2010年10月のロシア公演、2011年ベルギーとフランス国内ツアー、パリ市立劇場でのロングラン公演、そして2011年7月には静岡県舞台芸術公園 屋内ホール「楕円堂」にて日本公演が行われた。
2013年9月には、パスカル・ランベール作・演出『愛のおわり』(青年団国際演劇交流プロジェクト、ジュヌヴィリエ国立演劇センター・こまばアゴラ劇場国際共同事業)に出演、静岡芸術劇場にて公演が行われた。『愛のおわり』は2016年12月にこまばアゴラ劇場での再演が予定されている。
【チケット取り扱い・お問い合わせ】
-青年団 http://www.seinendan.org/ (オンライン販売)
tel. 03-3469-9107 (12:00~20:00)
-RoMT 代表アドレス info@romt.org
◆海藻おしば協会会長・日本藻類学会会員の野田三千代さんの講座を受けた。
アートと地域課題がシームレスとなった「海藻おしばでアート作品『海の森からの贈り物』〜色彩の謎解きから地球環境の成り立ちを知る〜」(d-labo静岡主催)は、講座の運びそのものが参考になった。
野田さんは筑波大学下田臨海実験センターに職員として30年勤務されたが、以前はデザイナーだったという。なるほど、美と科学はこう繋がるのかと合点がいった。
・d-labo静岡 公式サイト
http://www.d-laboweb.jp/event/160820.html
◆文化は自動販売機じゃないんだから、金を入れたらすぐにパッケージになってポンと出てくる訳じゃないでしょう。
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