平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

景色   2016/04/20

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◆静岡市美術館公式サイト
http://www.shizubi.jp

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◆静岡県立美術館公式サイト
http://spmoa.shizuoka.shizuoka.jp



静岡市美術館で『没後20年ルーシー・リー展』を、静岡県立美術館で『東西の絶景』を観る。
二つの展示における共通点は、「景色」ということだろう。この景色というのがいささか厄介で、色というとつい頭の中でcolorと翻訳してしまいがちだが、『古今和歌集(仮名序)』に「今の世の中 色につき人の心花になりにけるより」とあるように、色には「趣」の意があることを忘れてはならない。同じく古今には、「春の色のいたりいたらぬ里はあらず」とあるがこちらはむしろ「兆し」「気配」の意味が強いだろう。色は、「音色」や「声色」ともいったりするように、響きや調子の意味もある。

一幅の軸、一枚の絵、一腕の鑑賞とは、自身が小さくなって作品世界に入り込むか、ぎゃくに作品風景の方を巨大化させてそこに自身を投影させていくかのどちらかだろう。さらにいえば自身と作品景色の境をまぎらかし一体化することだ。



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〜静岡県立美術館 開館30周年記念式典〜

岐阜県美術館の館長に就任されたアーティストの日比野克彦さんは、活動の場所を美術館の「外」から「内」に移したとして話を展開されたのは木下直之さん。
わたしの観察では、日比野さんは館長になるずっと以前から、美術館の「外」でもあり「内」でもある「縁側」で活動し続けている。立場が美術館の「外」か「内」かの違いだけで、活動の場は「縁側」からずっと変わっていない。



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