その門構えのせいか竹の印象の強い根津美術館だが 2015/03/29
根津美術館 春の展示は、『救いとやすらぎのほとけ 菩薩』。
菩薩は悟りを得たのち人間界に降りてきて、救済の手をさしのべる仏。
その存在は、一片の花びらのようでもある。
つまり花は仏の化身である。
根津美術館の庭を歩けば、七分咲きの桜が人々の表情を和ませる。
風に舞って降ってくる花びら一枚一枚は、まさに「早来迎之図」である。
そもそもお重を広げ、大勢でワイワイやるのが日本の花見である。
歌麿の『大黒屋店先に桜と遊女』では、店先の縁台に腰掛ける遊女そのものがもはや花であり、『御殿山の花見駕籠』では、今まさに花見の籠から降りようとしている着物の文様が花と響き合っている。
展示では、釈迦や文殊菩薩、普賢菩薩に加えて、「暮春の茶の湯」で、春を満喫した。
あ、桜に見とれていて、肝心の写真を撮るのを忘れておりました。
そんなものですな〜、春は。
◆フランスやイギリスの教会をこの足で見て回ったことはないが、神保町の建築専門 南洋堂書店で何気なく手に取った『フランス ロマネスクを巡る旅』(中村好文・木俣元一、新潮社、2004)『イギリスの小さな教会』(大澤麻衣、書肆侃侃房、2012)に心が動く。何気ない文章、何気ない写真が心を揺さぶる。何よりも、その場に行ってみたくさせる。もっと言えば、その場に行った気にさせる。センスのいい人なんだろう。
ここにある教会のどこかを訪ねることになりそうな予感がする。予感である。
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