平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

「オンガク × ダイアログ」    2015/03/04

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gallery sensenci(静岡市駿河区)で行われた静岡大の学生ふたり(小川恵祐、豊増瀬理奈)のミニコンサート「オンガク × ダイアログ」を聴きに出掛けたら、手渡されたプログラムのなかに小さな文字で打った次の言葉を見つけた。

語りあえば語りあうほど他人と自分との違いがより微細に分かるようにあること、それが対話だ。「わかり合えない」「伝わらない」という戸惑いや傷みから出発すること、それは、不可解なものに身を開くことなのだ。(鷲田清一)

トロンボーンやガムラン、エレクトーン、ピアノの音色、歌声が気づかぬうちに心の底に降り積もり、思わず目頭が熱くなった。

鷲田の言葉に引きずられて、彫刻家・佐藤忠良の次の言葉が浮かんできた。

「ずっと人間の像を作り続けているのは、つかみきれない情けなさ、切なさがまた挑ませるせいでしょう。」

もっと驚いたのは、そんな言葉をつらつらとおもい浮かべながら、雑誌『SWITCH』3月号(2015)のCOMME des GARCONS特集「INTERVIEW Le Plus Important Est Invisible 美しい石」(文:新井敏記)を読んでいたら、まさにこの佐藤忠良の言葉と再会することとなった。






COMME des GARCONSの生みの親である川久保玲の言葉もあわせてここに引いておこう。

「何度も言うように、私は、アートという観念は持っていません。」

「生き方でしかない。ただ一生懸命にやっているだけ。」

響く。




SWITCH


『SWITCH』スイッチ・パブリッシング,2015.3

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