絵本『おんがくねずみ ジェラルディン』と直感と 2013/07/28
レオ=レオニには、教わることが多すぎるぐらい大切なことを教わっている。
例えば先に紹介した『フレデリック ちょっと かわった のねずみの はなし』は、わたしのなかでは、まさにその頂点にあるような作品である。
http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/1937.html
そうしてもう一点、それに勝るとも劣らない作品が『おんがくねずみ ジェラルディン はじめて おんがくを きいた ねずみの はなし』(訳谷川俊太郎好学社,1979)である。
音楽を一度も聴いたことのないネズミのジェラルディン。ある日、すごく大きなパルメザンチーズの中から掘り出したこれまた巨大ネズミの彫像から聴いたこともない「音」を聴く。
「おんがくだ!」ジェラルディンは きがついた。「これこそ おんがくにちがいない!」
そう直感するシーンだ。
そもそもジェラルディンには音楽という「概念」があったのだろうか。音楽という「言葉」があったのだろうか。いや、両方ともなかったに違いない。それは概念や言葉を伴って、外部からやって来たに違いない。
初見にもかかわらず、あるもの、ある言葉、ある音に触れた瞬間、何かものすごく重要なだと感じることがある。そういう感覚はとても大事にしないといけない。レオ=レオニはそう教える。
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