ミッキーとミニーは能だった(というにはいささか大袈裟だが) 2013/05/18
「東京ディズニーリゾート30周年 ザ・ハピネス・イヤー」を記念してさまざまなローカルイベントにミッキーマウスとミニーマウスが登場、地方の人々はそのサプライズに大喜びのようだ。
先日、その様子を報道が取り上げているのを見ていて、なるほどと膝を打った。
「ミッキー、ミニーは、〈能〉だったのか」と。
ミッキーもミニーもそのマスク(面)は、マスク故に実際には表情は常に一定で変わらない。だが見ていて感心したのは、周りの状況に合わせて、びっくりしたり、ほほえんだり、それが大笑いへと一瞬にして変化したりと、実に表情が多様なのである。
なるほど、能の面(おもて)が、その微妙な傾きをつくることで、目元や口元に変化をつける、すなわち、「くもらす」「てらす」をするように、ミッキー、ミニーはそれを見事にやってのけていたのである。ここが他のゆるキャラと圧倒的に違う点であろう。書道のように動きと表情に「とめ」と「はらい」が巧妙に取り込まれている。
多くのゆるキャラは、ゆるいが故にキャラクター設定(計画)すらゆるゆるで、見る者に、「中に入っている人はこの暑さでさぞかし大変だろうなあ」と心配さえさせてしまう。これはいけない。
地方自治体が安易にキャラクター戦略と称して、地名や商品名を適当にもじってネーミングしたはいいが、使い方がまったく決まっておらず、持て余してしまうというケースをよく見かける。それはキャラクターではなく、スペースをうめるためのイラストであり、安易なカットとかわらない。がんばっている分余計にみじめにも見えてしまう。
ところで、そこではどんな交渉事がなされて地方のイベントにミッキー、ミニーがご登場と相成るのかわたしは知らないが、なかには、この「二人」のご登場を勇気を持って断る地域もあるのだろうか。
「うちの地域は、この地方のやり方を大切に考えていますので、結構です」と。
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