平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

『たくさんのふしぎ傑作選 美術館にもぐりこめ!』さげさかのりこ の傑作   2013/05/13

sasanoko



待ってました!!
友人のさげさかのりこさんが描いた『たくさんのふしぎ 美術館にもぐりこめ!』(さがらあつこ/文 福音館書店 1996年11月 第140号)が、この度、「傑作集」となってよみがえった。

ご存じの方も多いかもしれないが、この月刊たくさんのふしぎのシリーズは、数十冊に一冊程度、その内容が特別に優れている号だけがハードカバーとなって出版される。
この本に関してはソフトカバーで出版されたばかりに、ここ「脳内探訪」でも紹介した。

以来、わたしも大学の授業で、美術館のバックヤードに何度か入る幸運に恵まれた。
http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/1766.html

http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/1790.html


実際の現場を見てから、改めてこの本を注視すると、いかに細部に至るまで忠実に描かれているかがよく分かる。絵本を甘くみてはいけない。「そこをもう一歩深く知りたい」という欲求が「先回り」して描かれている点が誠に秀逸である。

読者にある状況を理解してもらう場合、写真を用いた方が伝わるのか、それともイラストの方が適しているのか、判断に迷うことがある。物事を忠実に見せたい場合、必ずしも写真がいいとは限らないのだ。それがイラストの力である、ということを本書は正に教える。

そうだ、この本を使って美術館で講座をやろう! ・・・あ、言っちゃった。


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