平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

静岡県立美術館で草間彌生とデート  2013/04/27

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幼少期における両親の不仲による重度のトラウマ。現在でも病院とアトリエの往復による創作活動。「わたし」を取り巻く世界が、あるパターンをもって「わたし」に襲いかかってくる。その恐怖から逃れるために、敢えてその中心に飛び込んでいく。その結果、「わたし」の中から、「繰り返し」というパターンによって創出される。故に、作品一点一点すべてが「わたし草間彌生の自画像」なのである。

そんな草間彌生を「発見」した建畠晢氏(美術評論家、国立国際美術館長、京都市立芸術大学学長)が、静岡県立美術館の講堂でこんな話をされた(2013.04.27)。

「天才の条件が三つある。一つは、ケチ。二つ目は、家庭的感覚が希薄。三つ目は、恣意的感覚が宇宙原理に結びつている。それに一つ加えるなら、迷いがない(試行錯誤がない)」。

「2001年の横浜トリエンナーレで、(わたし建畠が)アーティスティック・ディレクターを務めたときに草間さんのところに打ち合わせに行ったんです。すると草間さんは、『ミラーボールを上海へ2000個ぐらい発注して、どこかの運河に浮かべておいて』と。この間、わずか5秒。えー??これで打ち合わせが終わり?もう唖然とするしかない。せめて、何日間か掛けて議論することが必要なんじゃないかと思ったんです。しかし、実際にこの作品ができあがると、もう大勢の人がこの作品の前で涙するんですよ」
(※要約)


わたしは安易に、天才、天才、カリスマ、カリスマと声高に言うことに嫌悪する人間だが、これは天才草間をいう興味深いひとつのエピソードだと受け止める。そうして建畠氏が天才の条件3つとして挙げたものよりも、むしろおまけに付け加えた、クオリティーの高い作品を生み出す際にもまったく「迷いがない」という条件こそが天才の必要十分条件ではないかと考える。

学生からのレポートが楽しみである。

  ※今回は大学の授業における観覧です。


◆巡回展「草間彌生 永遠の永遠の永遠」公式サイト
http://www.asahi.com/kusama/topics/

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何ともセクシーなパンプキン!



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静岡県立美術館で草間彌生とデート。
「彌生さん、ぼ、ぼく、あなたのことが・・・」

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◆静岡県立美術館公式サイト
http://www.spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/japanese/exhibition/kikaku/2013/01.php



◆大学と美術館 
http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/1766.html

http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/1780.html

http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/1790.html

http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/1793.html

http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/1846.html

http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/1880.html

http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/1893.html

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