デザインとは表面である
驚くべきことは、我々は経験以前に、それがたとえ初見であり、さらには手の届かない離れたところにあったとしても、固いか柔らかいか、重いか軽いか、ザラザラしているかツルツルしているかの見当がついてしまうという事実だ。認知科学がとっくに答えを出しているのだろうが、こんなたわいもないことがわたしには驚きである。
デザイン論ではその中身や機能の重要性、コンセプチュアルな問題ばかりに視点が注がれ、議論されているように見受けられる。だれかが「デザインとは表面である」と言ったが、この意味をここ数年深く考えている。
この文章をメモのように綴っていたら、サティの音楽には表面がない、という有名な台詞をふと思い出した。