ひっかいてやりたいね 2013/03/03
建築家・隈研吾が唱える、弱い時代の、弱い日本の、弱い建築とは何か。
3・11以降、建築はやっぱり堅牢な方がいいんじゃないの?!とお考えの貴兄にぜひおすすめしたい一冊、『建築家、走る』(新潮社)。
「建築家にとって、20世紀は建物を作ったら『はい、終わり』という、ある意味、簡単で脳天気な時代でした。建築家は社会に機能と権威を提供すれば、それで済んでいたんです。それをぼくがニヒルに眺めていたいということは、そういう単純な枠組みの中で、20世紀型の『強い建築』を無反省に量産していく先達の、デリカシーのなさが許せなかったからです。」(『建築家、走る』隈研吾)
「年月がたった後に、言葉で整理してみたら、『コンクリートに頼ってできた、重たくて、エバった感じの建築が大嫌いなのだ』ということがわかりました。もっと簡単に、もっと率直にいうと、『ぼくの前までの世代の、日本のエラい建築家が作った、エラい建築だけは作りたくない』『日本の強かった時代の、強い建築は倣いたくない』『弱い日本なのだから、弱い建築を作りたい』」という、ちょっと依怙地なこだわりが、自分の中心にずっと横たわっていたのです。」(同書)
いやいや、建築だけじゃないよね。某業界だって同じだった。困ったことに、まだ反省してない輩がいる。というか、気付いてさえいない。猫の手でも借りて、ひっかいてやりたいね。ガリガリ ガリーッ
【隈研吾の仕事の一部】
亀老山展望台 雲の上のホテル 水/ガラス 森舞台/登米町伝統芸能伝承館 竹の家 サントリー美術館 根津美術館 マクドナルド公共複合施設 ヴィクトリア&アルバート・ミュージアム・ダンディー エクサンプロヴァンス音楽院 グラナダ・パフォーミング・アーツセンター HIKARIプロジェクト 他多数
最近の仕事は「(第五期)歌舞伎座」。本書のキャプションでは、劇場とオフィスタワーを併設し、3000人程度の帰宅困難者が一時的に待機可能な施設である、と解説している。
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※今日現在、twitter上でつぶやかれている平野雅彦さんは、私平野雅彦ではありません。
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