平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

オノ・ヨーコの「仕事力」  2013/01/14



朝日新聞の連載「仕事力」では、オノ・ヨーコのシリーズが始まっている。すべての行が示唆に富む見解で、ボディーブローのように重くヒットする。
「根底にあるのは愛です。世界中の人が何とも思わなくても、自分は愛している。」
なんともオノ・ヨーコらしい言葉ではないか。 just me.
以下、2013年1月6日、13日掲載分からの抜粋。


・今は、広く世の中や世界とつながり、私たちには、もっと大きく、エネルギーの必要なチャレンジが与えられている。ただただ今までのスタイルに従っていくのではなくて、自分で何が大切かを考え、クリエーティブな試みをする時代になりました。仕事は多岐にわたるようになるし、こんなことをしなくてはならないのかと困難を感じる日々もあるかもしれませんが、そうやって私たちは新しい時代の要求を大事にし、一生懸命にチャレンジする喜びをもらえているのです。
もちろんそれは、多くの人間にとっては随分難しいと思います。きっと怖いはず。でも、その怖さを乗り越えていって欲しい。そのために一番最初にするべきことは「イマジン(想像)」なのですね。本当に大事なことをする時には、まず頭で考え、それをリアルな映像にして自分で繰り返し見てください。自分のハートの深い所にある思いを現実にするために、何度でも確かめ、そしてその夢を人と分かち合うのです。(2013年1月6日)


・英国のリバプールにはジョン・レノンの育った家が残っていますが、彼の部屋はわずか3畳くらいで、とても狭い小さな小さな部屋です。両親と離別して伯母さんに育てられ、寂しさや悲しさを感じていた少年が、その狭い部屋で、自分がいつか音楽を通して大きなことをすると夢見ていたのは、本当にすごいことだと思います。
あなただって自分の城は、4畳半か6畳の小さな部屋かもしれません。でも自分が考えていることはいくらでも大きく広げていける。強い思いから発しているクリエーティブなことは、世界中に伝わっていくものです。(2013年1月6日)


・ある時期はエンパイア・ステート・ビルの中の会社でタイピストとして働いていましたが、お昼休みに仲間とランチを食べておしゃべりするようなことはありませんでした。その時間を惜しんで自分のクリエーションに集中し、隣の部屋の棚には、全て私の前衛アート作品が入っているほどだった(笑)。(2013年1月13日)


・境遇は恵まれていなくても、大変な環境に置かれていても、それをクリエーティブに変えていくのは「誇り」という力です。人間は、誇りを持たなかったら駄目になる、惨めになる。(2013年1月13日)


・限られた人生の中で何を選ぶか。それは、自分が面白いと思えることに尽きます。会社が有名だとか、給料が高いということであなたの心は生涯ときめいていられますか? もちろん、それが楽しくて仕方がない人はそこを突き進めばいいし、やってもやっても、エネルギーが湧いてくるかどうかが大切なのです。(2013年1月13日)


・本当の基準は「自分が美しいと思った全ては美しい」ということ。根底にあるのは愛です。世界中の人が何とも思わなくても、自分は愛している。それが非常に大事であり、その基準を活かして欲しいと思います。(2013年1月13日)



【オノ・ヨーコ 】 芸術家、音楽家。1933年東京都生まれ。学習院大学、米国サラ・ローレンス大学で学ぶ。60年ごろからニューヨークを拠点に前衛芸術活動を行う。69年ビートルズのジョン・レノンと結婚、共に創作活動や平和運動を展開する。80年のジョン・レノン死去後も「愛と平和」のメッセージを発信し続け、前衛芸術、音楽活動を展開、2009年ベネチア・ビエンナーレで金獅子賞受賞。また、途上国の学校建設を目的にしたチャリティーコンサート「Dream Power ジョン・レノン スーパー・ライヴ」を続けている。主な著書に『ただの私(あたし)』『今あなたに知ってもらいたいこと』など。




【追加】2013.1.20 + 1.27 ( ↓ )

・書き出しなさい。あなたがしようとしていることを、ぜんぶ。それを誰かに見せなさい。(2013年1月20日)


・漏らさず書き出し、時間の制限を受けずに実現する、という生きていく指針を探して欲しい。(2013年1月20日)


・失望している時でさえも、チャレンジすることを書き出してごらんなさい。そう、あなたがしようとしていることを全て。(2013年1月20日)


・私が、「クリエーティブな視点を持て」と皆さんに提案するのは、「どんな小さなことでも自分を役立てられる仕事」をいつも探していこうと伝えたいからです。(2013年1月27日)


・あなたも、自分を愛して、自分らしさを信じて、小さなチャレンジから踏み出して欲しいと思います。(2013年1月27日)


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※今日現在、twitter上でつぶやかれている平野雅彦さんは、私平野雅彦ではありません。


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