手から、指先から出血。格闘すること9日間。 2013/01/10
段ボール箱が40を超えたあたりから、数えるのがばかばかしくなった。掌のあちこちから血がにじむ。切れない刃物で皮膚を切るのと同じようなものだろう、紙で指を切るとやけに痛い。しかも数カ所。紙に吸われてしまったのだろう、もはや両の掌には脂気がなく、指先はまるで日照りの続いた田んぼのようにひび割れる。
12月31日から、1月8日までの9日間、正月返上でほぼ毎日、夜中まで、ときには明け方までかかって、手元にあった本や雑誌、ビデオ、CDを段ボールに詰め込んだ。
最初はそれでも、雑誌の必要な部分を切り取っていたが、すぐになんだか虚しくなってそれもやめた。
某作家の本も処分してしまおう。そう思うとまとめて30冊の書物が段ボールに入る。この全集はいざとなったら図書館を頼ればいい。そう判断を下すと35冊の全集がまた段ボールへと収まっていく。この作家とこの評論家はセットで考えればいいから、この一山はもう不要である。とまあ、こんな感じで、たぶん段ボールは50箱を超えていった。
本当はまだまだ作業を続けたかった。だが、積み重ねた段ボールがいよいよ玄関のたたきをおりて、ついには表にはみ出し、作業スペースがなくなったので、これまでの作業を第一弾として割り切ることにした。第二弾は、ぼちぼちやりながら、年内には、第三弾まで進めたい。ちなみにこれは「断捨離」というものとは違う。
去年は服を半分にした。コレクション4000点も寄贈した(今回の整理で、さらに7箱の追加が出た。まだたくさんある)。今年は本やビデオをまとめてこれまでの3分の1にする。確かにレファレンス用に多くの書物が手元にあれば、いざというときに役立つことは間違いない。実際、真夜中に、数年に一度開くか開かないかの本によって助けられたこともある。
まあ、いいか。
最終的には、書棚一竿、二竿の古典と辞書、そうしてお気に入りのCD10枚程度があれば、それでもういいかなあ、とも考えている。
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※今日現在、twitter上でつぶやかれている平野雅彦さんは、私平野雅彦ではありません。
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