旅に出た。それは「星を捕まえる旅」。 2012/12/24
当日配布された星を巡る地図(「宇宙図」)。参加者は、地図を手に入れたつもりが、読めば読むほど、迷子になる(笑)
詳細を知りたい方は、こちらを見せて頂こう。
http://www.nao.ac.jp/study/uchuzu/
友人のデザイナーBACCOさん(写真向かって右)たちが主催した「星を捕まえる旅」に出遊(於・Kurubushi base こんな場所にこんな隠れ家が・・たまらない)。
天体望遠鏡をつくったり、凍えそうな山の上で星空を眺めたり。
講師は「天プラ」を名乗る天文普及活動集団。
http://www.tenpla.net
この日の講師はその天プラのメンバーでもある東京大学の川越至桜さん(写真中央)と国立天文台の日下部展彦さん(写真向かって左)。それぞれを理論屋さんと観測屋さんと紹介、何とも天文学者らしくてうれしくなった。にやり。
( ↑ )これを履いていると宇宙で迷子になっても、宇宙人に見せれば無事地球に帰って来ることができるというストッキング。地球の位置が言語を超えて理解できるように描かれている。天プラのTwitterによれば、只今このストッキングを履いてくれるモデル「脚タレ」を募中とのこと。
( ↑ )宇宙誕生から現在までの宇宙モデルが描かれたトイレットペーパー。約80センチの全宇宙史。
陽が落ちると一行は、熱海日金山(十国峠)へ。さあ、観測だ。
あっちがすばる(プレアデス星団)で、こちらはおおいぬ座のシリウス。木星もひときわ輝いてみえる。時には人工衛星すら、肉眼でみえるのだ。
「今、目の前に見えているあの光は、だいたい室町時代に発せられた光なんです」と、川越さんは言う。
一応元理系のわたしは、高校生レベルの天文知識は(きっと)持っているので、川越さんが仰っていることは十分に理解はできる。だがやっぱり壮大過ぎて、抱えきれない。そこを一瞬にして描ききれるかどうかが天文学者になれるか、なれないかの境目なのだろう。
私たちは、脳中で壮大な宇宙をイメージすることができる。
では、脳内と宇宙はどちらが広いのだろう(こんなことを書くと、サイエンティストに叱られるのはわかっています、はい)。
ノーベル物理学賞・湯川秀樹の次の言葉を思い出した。
「素粒子の奧にはハンケチのたためるくらいの広さがある」。
まずい、識りたい病が全開である(汗)
あ、そうそう、わたしのサイトのトップページは、その宇宙図のイメージ画なのです。
http://www.hirano-masahiko.com/index.html
( ↓ )わたしの「星書」は全頁黒ベタ文字白抜きのデザイン『全宇宙誌』(工作舎1979年)であった。小口を倒すと銀河系や天体図が出現するという発売当日としては画期的なブックデザイン。杉浦康平と松岡正剛という両鬼才の仕事。5000円が定価の本書は、今では数万円の高値が付く。当時、杉浦&松岡コンビが造本に余りにこだわり、つくっているその場からデータが古くなってしまったという曰く因縁付きの本。
上が旧版、いちばん下( ↑ )が新版。ともに絶版で、現在入手困難。
空を見上げた後は、体の中を旅しましょう。
私淑する大阪大学21世紀懐徳堂 荒木基次 特任研究員(アートディレクター)のヒトゲノムマップも必見。
http://stw.mext.go.jp/data/genome_Japanese_A3.pdf
http://www.lif.kyoto-u.ac.jp/genomemap/
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※今日現在、twitter上でつぶやかれている平野雅彦さんは、私平野雅彦ではありません。
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