平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

スタイルって何だろう  2012/09/18

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あの人にはスタイルがある、などと言ったりする。
スタイリッシュなファッションだ、などと印象評価したりする。

ところでスタイルとはいったいぜんたい何であろう。

ファッションセンスというものか。身体の動きなのか。生活習慣か。あるいは生き方そのものを言うのか。そのどれか一つではなく、もしかするとそれらの集合体のようにも思える。少なくともスタイルという輪郭のようなものが先にあるのではなく、その人の生き方という芯のようなものが経験や体験の中で徐々に太っていき、それが所作・振る舞いとして表出したり、気品として漂ってくるときに、あの人にはスタイルがあると言うのではないだろうか。

そもそも明治時代のスタイルの翻訳は、書法、文体のことであって、容姿や服装を言ったのではない。要は、書きっぷりであり、筆の運びであり、ハネであり、ハライであって、そこから生まれ出る文体を言う。翻っていえば、書き様は生き様のことである。

約めて言えば、スタイルとはけっきょくその人の編み出す文体だ。そうして文体を編み出しているのは、やはり教養と言うことになろう。もちろん何でもかんでも教養と言えば片がつくなどと思ってはいない。

我が身を振り返ると、ハネも、ハライも実に中途半端だ。何か平べったい。それじゃあ、文体など生まれるはずもない。

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※今日現在、twitter上でつぶやかれている平野雅彦さんは、私平野雅彦ではありません。


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