平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

柳澤紀子さんの言葉と力  2012/03/25

yanagisawa



美術家・柳澤紀子という人を評する際に、だれしもその作品ばかりに言及する。作品のなかから言語を紡ぎ出そうと試みる。
だが、そこだけを語っていると、柳澤さんの仕事のすべてはけっして伝わらないし、単に氏の発言の引用だけをしていても深層にまで照明が当たることはない。
柳澤さんの書かれた文章を読まれたことがあるだろうか。最初の数行で背骨というのか、言葉の厳格さというのか、精度のようなものが見えて来る。その点においても柳澤さんの才能は際立っているのだ。

そもそもアートの前では言葉は単なる説明の手段だと理解されている。だが、アートとは、それらを語るための「言語の精度」の問題だともいえる。それはいかに対象を厳密な言葉と重ねられるかの問題なのだ。要はアートと言語は切り離せない表裏なのだ。

この度送っていただいた「奥ゆかしい 庄内人の淵源」(『Cradle』2012 MARCH/APRILE)のシリーズをはじめ、いくつかの掌篇を書かれているが、どうやらその筆はまだ一冊にまとまっていないようだ。いつかひとつながりの柳澤紀子 美術思想大系を読んでみたい。


●柳澤紀子公式サイト
http://www.noriko-y.com/

●2011年11月に掛川でおこなわれた掛川現代アートプロジェクトvol.5 「霜月の宵 夜の美術館とトークショー  優游涵泳」にスピーカーとして参加された柳澤紀子さん。
http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/1670.html



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※今日現在、twitter上でつぶやかれている平野雅彦さんは、私平野雅彦ではありません。


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