「私の専門ではここまでしか言えませんが、こう考えることはできませんか」鷲田清一先生の言葉 2011/09/20
元大阪大学総長の鷲田清一先生が毎日新聞(2011年9月17日 東京朝刊)のインタビューに答えて以下のような示唆に富むコメントをされていたので、その一部をここにアップさせて頂く。
それは何も学問の世界だけの話ではなく、われわれは日常生活のなかで、未知なることがらに対して、既知の情報を重ねながら推測をする。要は、日々の鍛錬によりその精度をあげることが重要なのだ。
以下の文章を、あるゆる人々が自分のこととして読んで欲しい。
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【KEY PERSON INTERVIW 鷲田清一さん 「3.11」後の知と大学のあり方とは?】
科学者は自分の専門外のことには口出ししないことが美徳とされてきました。しかし、それでは済まない時代なのです。研究者の専門領域はどんどん細分化していますが、社会が解決を求める課題は、その専門を幅広く横断しています。「専門じゃないから」と逃げていたら、解は永遠に求められません。(中略)
どんな分野でも、日常生活に深くかかわるイノベーションをするのが博士後期課程の研究教育です。自らの研究によって社会がどう変化し、文化が活性化するか、逆にダメージを受けるか、そこまで考えぬく力が求められます。
そのためには専門性を深めると同時に、もっと大きな枠組みのなかでものを考える訓練が必要です。教養、つまり社会的な判断力を磨くと同時に、高いコミュニケーション能力も求められます。
自分の研究を誰にも分かる言葉で説明し、「私の専門ではここまでしか言えませんが、こう考えることはできませんか」と、異分野の研究者に提案し、討議する力が必要です。
【鷲田清一プロフィール】
京都市生まれ。京都大大学院博士課程単位取得退学。関西大教授、大阪大文学部教授、副学長を経て、07年大阪大史上初の文系出身総長に就任。1期4年を務め、8月末に退任し、9月から大谷大学教授。
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※今日現在、twitter上でつぶやかれている平野雅彦さんは、私平野雅彦ではありません。
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