平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

売れなくてもまた良しとする   2011/04/04

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深紅が印象的なオリベッティのタイプライター『ヴァレンタイン』(1969年)はソットサスの代表作



売れなくてもまた良しとする

潔いこの言葉はグラフィック・デザイナーでインダストリアルデザイナーでもあるエットーレ・ソットサスが岐阜県主催の第一回織部賞授賞式(1998)で述べたものである。わたしもその時この会場の片隅に座っていた。


ソットサスは言う。
わたしは好きなことをする。わたしは自分の夢を追求する。その結果出来上がった製品が、市場で売れればそれも良しとする。売れなくてもまた良しとする。


これをデザイナーのエゴと取ることもできよう。だがわたしは、ここに力強い意志を感じ取る。かれはこの言葉で、マーケットとデザイナーの微妙な位置関係も暗示している。


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