人は最高の教科書だ 〜矢島敦美さんというスタイル 2011/03/21
矢島敦美さんは元NHK紅白歌合戦 黄金期のチーフプロデューサーであり、番組「男の料理」を立ち上げ、ある意味キャンディーズの生みの親でもあり、NHK主催の多くの音楽イベントを成功へと導いた人物である。また美空ひばりが晩年もっとも信頼を寄せていた一人でもある、云々。
矢島さんはいつお会いしてもまったく変わらない。
「やあ、こんにちは 平野さん」と右手をちょこんと挙げるその仕草まで同じだ。
何一つ過剰ではない。スマートである。軽やかである。話題は下世話なところがまったくなく、鼻にかけることもない。それでいて云いたいことはきちんと云う。でも嫌みがなく威圧的でない。きっとこういう人を「育ちがいい」というのだろう。
それから矢島さんを語るときにもっとも重要なキーワードが「色気」である。逆さまにして力いっぱい振っても、ぎゅうぎゅう絞っても出てこない人からは決して出てこないのが色気だ。憧れである。
「人は最高の教科書」。そのことを、平野に身をもって教えてくれるのが矢島敦美さんという人物だ。
『文藝春秋』2007年6月号 美空ひばりに注がれる愛情にあふれた文章だ。
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